2016年11月19日土曜日

ツルハシブックス閉店

お客さんによる店舗外観画

11月5日、内野駅前にあったツルハシブックスさんが閉店しました。

2011年3月20日の開店時より『Life-mag.』の全号取り扱いでお世話になっていました。昨日(11月18日)、撤収作業中の店舗にお邪魔して残部の引き上げ、精算手続きを行ってきました。

これまで発刊の度に、今井あゆみさんや加藤大輔さん、そして代表者の西田卓司さんにお世話になって納品、精算を行ってきました。ありがとうございました。

ツルハシブックスは「本屋」という看板を掲げてはいましたが、「本を売る」ことよりも、その場に居合わせた人同士の「偶然の出会い」から生まれるコミュニティづくりを優先していたように思います。旧来の本屋というよりは、新しい本屋のカタチを模索した活動だったのかもしれません。

それは閉店に合わせて制作された『ツルハシブックスとイロハニ堂の物語集 本棚と碧い鳥』を読んでもあらためて実感させられることです。


『本棚と碧い鳥』

昨日の精算時、スタッフ(サムライとも劇団員とも言う)の山田正史さんに勧められて購入。今朝、読みました。

A5版120頁で、500円です。まだ在庫はあるようでしたが、どこで買えるのかな...。ツルハシブックスの本棚(活動)が一部、引き継がれるという同じく内野地区のコメタクさんなら取り扱いがあるかもしれません。

悩み相談、進路相談をした学生、学生の問いにふと人生を考えさせられた主婦、新潟の町に友人を増やすきっかけをもらった学生、おしゃべりをしに来ていた小中学生の成長、結婚相手をみつけた人、商店街のおじちゃんとの交流など、あたたかな出会いが幾十にも生まれた場だったことが伝わります。

では、わたしはどんな風にツルハシブックスを利用していたかと言えば、旧来の本屋として利用することが多かったです。

本屋は好奇心を満たしてくれる場所であり、また別の言い方をすれば、孤独を許してくれる場所でもあると思います。教室(世間)の友人らの話題に1ミリも興味が湧かずうまく笑えない自分、社交性と協調性の無さを存分に発揮しても居られる場所というか。

時代と場所を越え、見ず知らずの著者のなんらかの強い意志によって書かれた本に囲まれ、なんらかの過剰と欠如を抱えたわたしたちを許し、満たしてくれる場所だと思います。「学校」や「会社」では過剰や欠如が許されない場面も多いですしね。

という持論はあるものの、納品、精算またお客としてツルハシブックスに通うなかでわたしもいくつかのご縁をいただきました。2014年6月13日には、2階のカフェ・イロハニ堂さんで、『Life-mag.vol.007【シネ・ウインド編】発行記念連続対談「この街に吹く風」〈第二回〉齋藤正行(シネ・ウインド代表)×西田卓司(ツルハシブックス店主)を開催させていただきました。

photo : Yorimitsu Karasawa


新しい本屋の形を模索したツルハシブックスで生まれた人のつがながりは、きっとまた違う形になって、新潟の町か、またどこかの町に姿を現すのではないでしょうか。

その日を楽しみに。

まずは、ありがとうございました。