2016年8月27日土曜日

[006]Report of Awashima by Asami M.

村山さんの粟島レポート6通目をアップしました。
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今回は、私が感じた島の食について少し紹介しようと思います。

まずは、おばあちゃんの梅ジュース。
自分で育てた青梅を3〜4日酢で漬けます。その後種を取って、氷砂糖と漬けたシソの葉を入れて、最後にお酒を少しだけかけて、15日程漬ければ完成です。梅はカリカリ梅に、漬けたシロップは水で薄めて梅ジュースとして飲みます。

梅ジュース

甘酸っぱく、塩分もあるので夏場には最適です。この味にたどり着くまでに何度も失敗したのだとか。知り合いの農家さんなどに作り方のコツを聞いたりして今の味を作れるようになったそうです。民宿をしていると、季節に採れたものをどうやったら長く美味しく保存できるか、よく考えていたそうです。

次に釜谷地区にある「売店きんべい」のあずきカキ氷。
ここはお土産の販売と食堂をしています。1番人気は、手作りあずきのカキ氷。あずきは粒が大きくて、味がしっかりしています。カキ氷用に少し甘めの味付けです。

あずきカキ氷

ここのおばあちゃんは、自分でまんじゅう、羊羹、豆腐など素材から全部作っているそうです。食べ物の話をしているおばあちゃんは、何だかとっても楽しそう。「美味しいものは時間をかけないと食べられないからね〜」とおばあちゃんはよく言います。

最後は「名物わっぱ煮」。
いつも、民宿の朝ごはんで出していますがこの日は私も食べられることに! 昔は海で獲れた魚、アワビなどを浜で味噌汁にして食べていたそうです。朝になると、釜谷の海岸沿いにあるわっぱ煮広場では、石を熱する煙があちこちで見えます。

焼け石をわっぱの中に入れる

この日は朝獲れたてのメバルをわっぱ煮に入れます。こっちではメバルの事を「てんこ」と呼んでいます。獲れたての魚は身がぷりぷりしていて、1匹をすぐに食べてしまいました。
わっぱ煮で使う味噌は、おばあちゃんの手作り。もちろん、大豆も畑で作ります。その家によって味も違っていて、民宿用は辛めに、家庭用は甘めに作るのだとか。
市販の味噌は普通、溶かさないといけないですが、この手作り味噌はお湯を入れるだけですぐに溶けます。添加物は一切入っていない為、冷蔵庫や冷凍で保存しています。私が食べたわっぱ煮の味噌は少し甘めので、魚との相性もすごく良かったです。


わっぱ煮

島で食べるものはどれも本当に美味しいです。特に変わった食材や、調理方法があるというわけではないですが、この島で作り、獲れた食材を美味しく丁寧に料理して、その過程を間近で見て、聞いて、味わうことが出来ます。ここの野菜や魚は匂いや食感がしっかりと感じられ、食べているのも楽しいです。作り手の話を聞いて、食べられる、ということも、この島の魅力なのかもしれません。