2016年8月19日金曜日

[005]Report of Awashima by Asami M.

村山さんの粟島レポート5通目をアップしました。
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粟島はお盆をピークに観光客が多く訪れ、最近はお客さんの数も減り、以前の静けさが戻ってきました。

私の働いている民宿「市左衛門」でも家族連れや団体でのお客さんが続きました。ここ1、2週間はバタバタとしていたら本当にあっという間に過ぎてしまい、もう島での生活も折り返し地点までやってしました。

これは、ある日の民宿での夕食です。

島の味がテーブルいっぱいに並ぶ

粟島ではよく作られる、ジャガイモとタコの煮物「いもダコ」、「海そうめん」、おばあちゃんの畑で採れたスイカ、行者にんにくのおひたし、イシダイのお刺身、などなど…たくさんの料理が出ました!
この日はとくに粟島ならではの料理でした。その日に採れた魚と野菜を使った料理は本当に新鮮です。魚はしっかりと食感も感じられます。旬の野菜は、本来のにおいがきちんと残っています。
そしてこの「行者にんにく」は、おばあちゃん曰く、最初に野生の行者にんにくを見つけて料理して出したのはおばあちゃんが初めてだったのだとか…!

「昔、山に仕事に行っていた時の昼休憩、なんだろうな〜って思ってた草を拾って家の側に置いておいたんだよ。そしたら、お客さんから、それ行者にんにくだね、って教えてもらってさ。それからうちが初めて行者にんにくを料理して出したんだよ〜」

こんな話を聞いて食べる行者にんにくは、いつもより美味しく感じられました。

人や物から情報を与えられることが当たり前だと思っていましたが、自分で見つけることはたとえ効率的ではなくてもそれ以上の楽しさがありますよね。私も自分なりの発見をしに、少し時間が出来たらゆっくり山を歩いてみたいなと思います。

8月12日は、流星群を見に行ってきました。雲ひとつない空の日には、夜も星が綺麗に見えます。民宿でお客さんの送迎をしている、粟島歴約20年の大先輩に星が綺麗に見える場所に連れて行ってもらいました。

島の北西にある、仏崎という場所です。昼間来ても景色の良い場所です。

昼間の仏崎

夜は周りに一切の灯りが無いので、星がよく見えます。

夜の仏崎

月に照らされた岩の影も綺麗でした。
ブルーシートを敷いて大の字になり、星を見て、とても気持ちよかったです。虫の鳴き声、風と波の音に囲まれてなかなか普段は出来ない体験が出来ました。

部屋の窓から

島での生活も半分過ぎました。

誰も私の事を知らないようで、知っている、島独特の環境に臆してしまうこともありました。バタバタと過ぎる日々で、色んなことに焦りを感じてしまうことも。
いつもなら身近にいる誰かに話したり、教えてもらったりしていましたが、ここではそうはいきません。知識や技術、経験もない私が出来ることは、ゆっくり耳を澄まして聞くこと、まずは出来ることをやる事、しかなさそうです。自分で見て、聞いて、感じる。
これからの残された期間は、少しずつ時間に余裕が出てきそうなので、もう少し足を伸ばして島を歩いてみたいと思います。

夕闇の粟島