2016年4月29日金曜日

『Life-mag.vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】』発刊のご挨拶

vol.009 表紙

vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】が編集室に納品となりました。これより順次、掲載者やお世話になった方、協賛広告主様への御礼回り、そして、取扱店様への納品回りを行っていきたいと思います。

前号までの取扱店様へまた取扱のお願いをさせていただくつもりです。新刊の取扱・納品状況も追って、ウェブにアップしていきます。前後するところも出てくるかと思いますが、どうかご理解いただけましたら幸いです。

本編は弥彦山周辺の4つの地域を取材した特集号です。長岡市の[寺泊]、西蒲原郡弥彦村の[弥彦]、新潟市の[岩室]と[巻]です。それぞれ行政区域は異なりますが、これらをひとつの地域と見立てて編集しました。

大きなテーマはふたつです。ひとつは、越の国開拓の租神、また〈おやひこさま〉として親しまれる「彦神社」の歴史や神事について。悠久の時のなかで歴史や物語、信仰や習慣を育んできた〈おやひこさま〉の姿に迫りました。

もうひとつは、旧巻町で行われた東北電力巻原子力発電所建設計画をめぐる住民投票についてです。条例に基づく日本で初めての住民投票が行われた旧巻町の経験からみえてきたのは、公私に渡って複雑な立場に立たされた町民が、原発の問題を自分事として引き受けて考え、行動してきた姿でした。

また、彦神社御祭神上陸の地[寺泊]や北国街道の宿場町として賑わった[岩室]もそれぞれ地域の歴史・文化を掘り下げました。

表紙写真は[巻]の角田岬灯台です。ここは、まだ潟が多く残っていた古の越後平野で、国上山から続く弥彦山系の半島の突端のような場所でした。郷土の歴史を問いなおすこと、そこに光るものこそが、私たちが向かうべき方角を指し示してくれることでしょう。


[ も く じ ]

【弥彦・1】
金子 清郎[彌彦神社・権宮司]
〈アルバム〉「〈おやひこさま〉歳時記」
小林 賴雄[弥彦山岳会会長]
田中 卓、三枝子[弥彦山登山道・清水茶屋]

【巻】
笹口 孝明[元巻町長・笹祝酒造]
遠藤 寅雄[元運動家・設備業]
斉藤 文夫[郷土史研究家・写真家]
石川 直樹[冒険家・写真家]
横山 作栄[フォークシンガー]
〈紀行文〉「菖蒲塚古墳」

【岩室】
こうめ[岩室芸妓]
佐藤 長作[和納十五夜祭り・花火師]
〈紀行文〉「間瀬銅山」

【寺泊】
力石 勉[野積盆踊り]
木村 希[寺泊水族博物館マリンガール]

【弥彦・2】
英 太郎[劇団新派・役者]
北條 佐江子[画家]

【土産九品】
寺 泊・笠原 ゆかり[寺泊観光協会]
弥 彦・羽生 雅克[弥生商店]
岩 室・小倉 壮平[新潟市岩室観光施設・いわむろや]
 巻 ・小林 正輝[小林履物店]

【エリアマップ】
【編集手帖】

A4版/120ページ/900円+税

見本01

見本02

見本03

見本04

見本05

見本06

2016年4月21日木曜日

「玉川堂創業200周年展」レセプションパーティin燕市産業史料館

左から2番目が人間国宝で鎚起銅器職人の玉川宣夫さん、
3番目は新潟経営大学経営情報学部西澤一光准教授、4番目は長岡造形大学美術工芸学科の馬場省吾教授

今晩は「玉川堂創業200周年展」レセプションパーティに参加させていただきました。地元政財界の大御所の方々の末席にくわえていただき恐縮であり、また光栄でした。

会場では、vol.006【燕三条編】で取材させていただいた玉川宣夫さん(左から2番目)と再会。取材を通じて、職人としてひたむきに仕事に向き合うその姿勢、地道さにはとても影響を受けました。以後、玉川さんはじめ燕三条地域に多くいる職人の方々を時々思い出しては(勝手に)仕事の励みにしています。

また、今日は約2年かけて制作された玉川堂のブランドムービーの先行上映がありました。職人が「花嫁」を送り出すかのような思いで、商品を生み、育てている様子が、弥彦山麓の美しい自然とともに映し出されました。「職人は商品が7割くらい完成してきたときがもっとも嬉しい。それ以後は、送り出す寂しさが湧いてくる」といったようなコメントも入っていましたが、それにも共感しました。

編者も取材地域に何十回と足を運び、ひとりひとりを訪ね、野山や路地に入り、取材を進め、次第に着地点が見えてくると、もちろん安心感もありますが、どことなく寂しさを覚えるので。

玉川堂さんは創業200年の間、時代の変化に合わせて、変えるべきものと守るべきものを見極める勇気と冷静さの両方を持ち合わせたいくつもの判断があったんだと思います。紙の雑誌と書店を取り巻く環境も変化の時代が続いていますが、玉川堂さんのその姿勢に学びながら、ライフマグも活動を続けていきたいなと思いました。

また、職人ひとりひとりの紹介もありましたが、会社全体の雰囲気が家族のようで羨ましかったです。ライフマグは、薄暗い編集室にこもってひとりで仕事を重ねる期間が続いていますが、いつか家族のような小さな職人集団で仕事ができたらなぁと思いました。

お声がけいただきました玉川堂さんにあらためて感謝します。ありがとうございました。今日はこの辺であがりにして、自宅にある玉川堂さんの酒器で日本酒を(すこし)飲んで休みたいと思います。

2016年4月20日水曜日

vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】入稿しました。

宝光院

『LIFE-mag.vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】』の最終データを入稿しました。ちょうど一年の取材、編集期間となりました。取材期間を通じて、ご指導、ご支援いただきました皆様に感謝します。ありがとうございました。

金曜は深夜から編集室にこもって制作作業、午後から[岩室]へ補足取材、協賛広告のお願いへ。土曜も午前は編集室で、午後から[弥彦]へ協賛広告のお願いと補足確認へ。日曜の午前は校正作業、午後から巻頭言や編集後記の仕上げ。月曜もまた深夜からの作業を続け、お昼頃、最終データの入稿となりました。

一日くらいぼけ〜っとしたいところでしたが、火曜から今日は家族が体調を崩したため家事・育児に時間をあてていました。この時期、またインフルが流行っているんですね...。

新刊が編集室に納品されるのは来週中頃の予定ですが、その間に販促ポスターの制作、営業回りの計画を進めたいと思います。まずは入稿のご報告でした。

写真は[弥彦]の宝光院さんの境内です。

取材最終日となった土曜、宝光院さんが所蔵する鎌倉時代作の毘沙門天(木像多聞天立像)を誌面の中で使用するため、確認と思い、訪ねました。住職は誌面を見て「どうぞどうぞ」と。

私事ではありますが、ここ宝光院さんは、編者の母方の祖父が眠る墓があり、弥彦は編者にとって〈母なる土地〉でもありました。その日、ほぼ完成していた仮誌面を脇にはさみ、阿弥陀如来像に手を合わせ、お寺を後にしました。

その後、母の実家に寄ると、この日は祖父の命日ということを知らされました。恥ずかしながら命日のことは頭になく、偶然に訪ねただけでした。苦節しながらも、どうにかこうにか、取材を進めて来られたのも、じいちゃんの導きがあったのかなと思いました。

刷り上がってきたらまた報告にいきたいと思います。いや〜、こういうこともあるんですね。驚いた。

2016年4月12日火曜日

校正作業中です。

ちゃぶ台で校正作業中

日曜は午後から次号の校正作業でした。前号と同じく友人の菅さんに来てもらって半日超、ノンストップで作業をお願いしました。ライフマグ、スパルタですね...。

菅さんは新潟で本づくり(書籍)に携わって10年ほど。同世代ですが、仕事は大先輩です。ルビの振り方だったり、なぜか一行だけフォントが大きくなっていたり、註の中の「てにをは」まで見てもらいました。ボランティアで来てもらっていますが、気持ちのいいプロの仕事を見せてもらいました。ありがたいです。

まとめ作業、広告誌面の制作でいっぱいいっぱいなところですが、ラストスパート、がんばってきたいです。制作支援カンパの方もまだまだ募集中です。どうぞよろしくお願いいたします。

2016年4月8日金曜日

イベント「巻原発住民投票から20年」。発起人・斉藤文夫さんの思いとは


近刊予定の次号の[巻]では、写真家で郷土史家の斉藤文夫さんのインタビューを掲載予定です。斉藤さんが郷土に暮らす人びとに寄り添いながら、見つめてきたその先にあったものを伺いました。

なかでも「越後毒消しの売り発祥の地」「鳴き砂の里」、そして「原発建設予定地」だった角海浜の撮影を通じて、見てきたものをとくに大きく取り上げます。10ページの予定です。

そして今回、その取材のご縁から、斉藤さんがこの夏に企画しているイベントのお手伝いをすることになりました。今年は、巻原発建設計画をめぐって行われた住民投票から20年という節目です。いまあらためて当時を振り返り、これからの巻地域を考える機会にしたいとのことです。

イベントは、「斉藤文夫さん写真展」「シンポジウム〈1〉〈2〉」「コンサート」などが企画されています。その「シンポジウム〈1〉」に元巻町長の笹口孝明さんら4名とライフマグ・小林が登壇する予定になっています。また「シンポジウム〈2〉」には[岩室]のギャラリー「室礼」を運営する桾沢さん(Bricole)も登壇予定です。新潟で活動する同世代ということもあって、いつもいい刺激をもらっている方です。

イベントの詳細は斉藤さんからの正式発表を待ってですが、そもそも斉藤さんがどんな思いで、企画に至ったのかを伺ってきました。ちょうど一昨日、[弥彦][岩室]と回る予定があったので、さ〜っと寄せてもらいました。6分ほどのインタビュー映像をアップしました。

2016年4月7日木曜日

誌面紹介[巻]笹口孝明さん(元巻町長)

インタビュー中の様子

【協賛広告、制作支援カンパのお願い】へのお申込、SNSでのご協力ありがとうございます。現状、協賛広告がまだ数枠空いてるとった状況です。制作支援カンパとあわせ、ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

[詳細]http://life-mag-interview.blogspot.jp/2016/03/blog-post_16.html

【誌面紹介】次号の[巻]では元巻町長の笹口孝明さんのインタタビューも掲載予定です。

1996年、旧巻町では原子力発電所建設計画をめぐって日本ではじめての条例に基づく住民投票が行われました。笹口さんはその当時の町長です。

明治大学を卒業後、家業である笹祝酒造で働いていた笹口さんは、それまで政治活動はほとんど行っていませんでした。しかし、原発建設という町の将来の長きにわたって影響を及ぼすようなことは、町民らの意思を住民投票によって聞いて決めてはどうかと、仲間とともに「巻原発・住民投票を実行する会」を立ち上げます。

この会自体は、賛成/反対を言わず、住民投票によって町民の意思を確かめようとひとつのテーマを掲げて進められました。笹口さんはたまたま推されて...、会の代表に就任、その後、町長に就任しました。

ちょうど20年前の出来事ですが、私たちの世代が振り返って、学びなおすべき点もあるのではないかと思っています。12ページの掲載予定です。

2016年4月4日月曜日

【次号誌面紹介】弥彦山登山道「清水茶屋」

清水茶屋

【協賛広告、制作支援カンパのお願い】へのお申込、シェアでのご協力ありがとうございます。協賛広告がまだ数枠空いているといった状況です。制作支援カンパとあわせ、ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

[詳細]http://life-mag-interview.blogspot.jp/…/03/blog-post_16.html

【誌面紹介】写真は、弥彦山登山道にある「清水茶屋」です。次号では清水茶屋を営む田中夫妻も登場します。

登山シーズンとなり、先週末は今年はじめて山登りにいった方も多いのではないでしょうか。その登山道って誰が整備しているか考えたことはありますか? 恥ずかしながら、わたしはこの取材をするまで想像したことがありませんでした。

弥彦山の場合、ほとんどは地元山岳会やボランティアによるものだそうです。階段をつくる丸太や杭、足場を固めるための砂利もボランティアの方々が運んでいるそうです。また、弥彦山の登山客で燕三条地域の工場に勤めている方が、道具や資材を持って来てくれることもあるとか。

「清水茶屋」という愛称は、茶屋のすぐ上に立つ欅の根元から湧く清水が由来です。弥彦の名物「トコロ天」もこの清水にさらして食べるとまたひと味違った旨みがありおすすめです。

茶屋は明治33年に建てられ、修繕を繰り返しながらも骨組みは当時のまま。田中さん夫婦の代となって20年以上、茶屋から見た弥彦山や登山客との交流を伺いました。2ページの掲載予定です。

2016年4月1日金曜日

ウェブ公開用インタビュー、[寺泊]野積杜氏・高綱強さんへ

高綱さん宅にてインタビュー

【協賛広告、制作支援カンパのお願い】へのお申込、シェアでのご協力ありがとうございます。お問合せ、ご検討いただきながら、広告誌面の制作、確認作業を進めています。

ごくちいさな雑誌ですが、長く地域に読み継がれるものを、と思い取材、制作を続けています。弊誌の活動に賛同いただける方からのご支援を心よりお待ちしております。

[詳細]http://life-mag-interview.blogspot.jp/2016/03/blog-post_16.html

昨日は、[寺泊]野積杜氏の高綱強さんへインタビューに伺いました。

野積杜氏は、頸城杜氏、刈羽杜氏、越路杜氏などと並び杜氏を多く輩出した地域です。そこには、夏場の漁業や農業だけでは食べていけないという、当時の地域背景もありました。

高綱さんは、中学卒業後、湯沢の白瀧酒造に出稼ぎへ。昭和20年代後半、同郷の出身者もいるといえども、杜氏のもとに集まった10数人の出稼ぎ者とともに冬場の共同生活を送りました。

それから52年、白瀧酒造に勤め、新潟県醸造試験場や他酒造メーカーを経て、2年前に引退。約60年に渡って、酒造りに携わってきた方です。

高綱さんが醸造に携わってきた代表的な銘柄のひとつが「上善如水(ジョウゼンミズノゴトシ)」です。「最良のお酒は限りなく水に近づく」、「二十歳の女の子がはじめてお酒を飲んでも美味しいと思ってもらいたい」という思いで開発されたそうです。

ほか、昔と現代の酒造りの違い、酒造り唄、高綱さんが夏場の仕事としていた茅葺き屋根職人についてなどを伺いました。このインタビューは、誌面ではなく、次号発売に合わせてウェブ上で無料公開する予定です。

インタビュー文章はいまライフマグに見習いで来ている学生に担当してもらいます。キャリアのはじまりとしては、とても贅沢なインタビューになったかなと思います。

補足、校正などは相談しながら記事をつくっていきたいと思います。4月下旬の公開予定です。