2015年4月20日月曜日

間瀬銅山跡へ。玉川堂さん(燕市)の社員研修に同行して。

間瀬銅山跡(新潟市西蒲区)に行ってきました。

1701年(元禄14年)より採掘が始まったといわれる銅山です。その後、何人かの経営者の変遷を辿りながら採掘が続けられ、1904年(明治37年)11月に新潟白勢財閥に経営が移り、のち1920年(大正9年)に閉山となりました。1912年(大正元年)〜1915年(大正4年)を最盛期(月産約50t)に、260〜350名ほどの労働者とその家族が鉱山飯場に暮らしました。

今回の間瀬銅山跡見学は、玉川堂さん(燕市)の社員研修の一環として行われたもので、私は【燕三条編】の取材でお世話になった縁もあり、そこに同行させていただきました。

玉川堂さんが社員研修に〜、というのはこの間瀬銅山から採掘された銅が江戸時代に、燕の銅器製造の原材料として使用されていた経緯があるためです。間瀬銅山から採掘された銅は、不純物が少なく、伸張性のある緋色銅で、品質の良い商品作りを支えたそうです。

玉川堂さんは、1816年(文化13年)の創業で来年2016年は創業200年。その源流を社員の方々で辿ってみようとの機会でした。

集合

2015419日(8:40、田ノ浦温泉駐車場集合。案内をしていただいたのは、郷土史研究をされている石瀬地区の山田さん、いわむろ案内人(まちあるきの会)の方々、間瀬地区の方々です。

坑口をめざして
険しい道を進みます

弥彦山登山道の旧間瀬銅山道という看板も立っているので、この道かも? というのをすぐに見つけられるかもしれません。しかし、地元の方や案内できる方が一緒でない限り、侵入するのはまったく勧められません。

坑口発見

歩き始めて約1時間、ようやく坑口にたどり着きました。坑道内は、10人ずつ2組に別れて入りました。入口付近は泥水が溜まっていて、長靴が必須です。奥に進むと次第に乾燥し、貨車のレール跡も出てきます。

坑道内にて

坑道を5分ほど入ったところです。右が玉川宣夫さん(鎚起銅器・人間国宝)、中が玉川基行さん(7代目社長)です。大変、興味深そうに見つめられていました。

さらに先へと、そして下層や上階へと道が続いていましたが、これ以上の侵入は止めることに。坑道壁のコウモリを目の前にしながら、外へと戻りました。

2組目の方たちが戻ってきました
出てきて安堵の表情。玉川堂・山田さん
帰りももちろん険しいです
銅山神社跡

帰りに銅山神社跡に参拝。薮の中にあったものを3年ほどかけて地域の方が整備されたそうです。

全員無事に帰還

途中、坑道とは別方向にある火薬庫や弥彦大明神なども見学して、戻ってきたのは12時を過ぎていました。皆さん汗だく。何事もなくほんとうによかったです。

間瀬銅山跡の一帯は史跡としてとても重要だと思いますが、かといってすぐに観光化して多くの人に来てもらおうというと、また話は違うようです。まず道が危険。ほんとに危険。

また案内していただいた地元の方はこの後、お祓いに行くと言っていました。鉱山一帯は、霊に敏感な人にとっては何かを感じるそうです。

今回は、特別な機会で幸運にも見学することができ、弥彦山〜多宝山麓の産業文化の歴史を肌で感じる貴重な機会になりました。先日、『LIFE-mag.』次号予告を見て、玉川堂・山田立さんからお誘いいただきました。ありがとうございました。



以下に補足で何枚か。
波のよう

採掘方法は、水平なトンネルを掘る「坑道掘り」や地表近くを不規則にたぬきの巣のように掘る「たぬき掘り・いたち掘り」、そして上の写真のように地表から確認できる場所を掘る「路頭掘り」などがあります。

不動明王

こちらは弥彦山登山道沿いにあります。

銅山師らによって建立された弥彦大明神
火薬庫跡

太平洋戦争時に使われたという「火薬庫跡」が3つあります。この付近で採掘された間瀬石で造られています。間瀬石は、耐火性、保温性に優れていて、明治2年に新潟運上所が建設された際、石庫にも使われました。

坑口への道中をもう一枚

以上です。記事内容は、地元まちあるきの会の方たちが制作した当日配布資料を参考にしました。

2015年4月16日木曜日

[次号予告]『LIFE-mag.vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】』を制作予定です。

弥彦神社の末社・祓戸神社にて撮影。取材開始前にまずは参拝してきました。

『LIFE-mag.』の次号vol.009は【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】を予定しています。

この地域は長岡市の「寺泊」、弥彦村の「弥彦」、新潟市西蒲区の「岩室」「巻」といったそれぞれ別々の行政区画にあります。次号、『LIFE-mag.』ではそれらをひとつの地域と見立てて編集してみようと思います。

ここに取材前の編者の問題意識を記しておきます。

弥彦神社の御祭神である天香山命(アメノカゴヤマノミコト)は、熊野(和歌山県)から寺泊の野積浜へ上陸したと伝えられています。そして、弥彦の地に宮居を定め、「製塩」「漁業」「稲作」「酒造」などの技術を住民に指導したという、この地域一帯の産業文化の神様でもあります。

そして弥彦詣での宿場町として栄えた岩室の温泉街、さらには北国街道が通る巻があります。これらの地域は、国上山、弥彦山、多宝山、角田山といった弥彦山系の麓一体の地域と見ることができるかもしれません。

または山だけでなく、海岸沿いの地域の歴史をたどっても面白いと感じています。寺泊・野積浜の「野積杜氏」、岩室・間瀬浜の「間瀬大工」、巻・角海浜の「毒消し売り」といった各海岸地域ごとに高い技術を持った職能集団がいたことや歴史的特徴を見ることができます。

さらに話題を現在に持ってきて、「観光」という側面からもこれらの地域を結ぶことができるのではないでしょうか。〈寺泊〉のアメ横市場に並ぶ海産物、〈弥彦〉の弥彦神社や門前町、〈岩室〉の岩室温泉や旅館、〈巻〉のワイナリーで楽しむワインというルートとして捉えたりと...。

本格的な取材はこれからですが、次回の地域をこんな風に見ています。具体的に取材してみたいなと思っていることはいまのところまだ2つです。ひとつは先に触れた弥彦神社についての取材。もうひとつは旧巻町で行われた、東北電力の巻原子力発電所建設計画に対する住民投票についてです。

1996年に行われたこの住民投票は住民投票条例に基づく日本で最初の住民投票としても知られています。約20年が経った今なお、「地方自治」や「地域社会」のこれからを考える際、この一連の出来事には学び直すべき多くのことが秘められていると思います。

最後に、これまでの『LIFE-mag.』を振り返って思うことを付け加えます。

前号の【日本海編】では、東北と括られる秋田と山形、北陸と括られる富山と石川、そして甲信越の新潟を結び、〈日本海地域〉としました。【燕三条編】は燕市と三条市を、【佐渡編】では佐渡市としての佐渡島全域を。それぞれ行政区画や地元の人の生活意識には一体感もあれば、そうでない場合もあったと思います。

取材をはじめる前の編者は、「なんだかあの辺りの地域が面白そう」という程度の問題意識でしたが、振り返ってみてふと思うことがあります。それは編者のようなヨソ者が、精一杯の好奇心を持って、地域に入り、その土地土地に根を張り暮らす人びとの声に耳を傾け、ときに歴史上の人物の声なき声に耳を澄ませ、ある一定の文化的・歴史的アイデンティティを見つけ、「こういう風に捉えてみても面白いのでは」と地域の見え方に〈補助線〉を引いてみせることだったのかもしれません。

ここまで書いてみて、民俗学者の折口信夫が唱えた「まれびと」のようだなぁとも思えて来ました。えぇ、思いつきです(笑)。

さてさて、どんな取材ができるのか。取材対象人数も、ページ数も、誌面の文字の組み方を決めるのもこれからです。次の地域に足を運び、目を凝らし、耳を傾けながら制作を進めていきたいと思います。

「こんな取り組みがあるよ」「こんな技を持った人がいるよ」「広告スポンサーとして」など、なんでもけっこうです、ご教授、ご指導、ご協力いただけることがありましたら、どうぞ気軽にお声がけください。よろしくお願いいたします。

2015年4月14日火曜日

新潟ふるさと村アピール館・アンテナショップ&カフェ「GATARIBA」にて取り扱い

新潟ふるさと村アピール館・アンテナショップ&カフェ「GATARIBA」にて新規の取り扱いをお願いさせていただきました。【日本海編】【シネ・ウインド編】【燕三条編】【佐渡編】を揃えていただきました。

新潟ふるさと村は新潟県が運営する大型の観光案内&物産施設です。県内外から観光で新潟市に来る方たちも利用する施設で、これまでとはまた違った読者の目に止まることを願っています。

郷土本の販売コーナー・「GATARIBA BOOKS」
 編集室からも車で20分ほどの施設ですが、普段、なかなか行く機会がありません。納品後に施設内をしばらく歩いてきました。

県花・チューリップ。豪華な庭園もあります。
奥の歩道橋の先には、信濃川ウォーターシャトル乗り場があります。

新潟ふるさと村マスコットキャラクター・ニーフル。
こんなキャラクターがいたんですね...。アピール館3Fにいます。

五泉市の塚野刺繍さんの商品。精彩です。
「GATARIBA」には、県内企業商品の展示販売ブースもあります。いまは新潟県五泉市のニット工場から発信されるブランド「ichaku」の展示中でした。他にも新潟の女性3人組ユニット「HATSUME」の販売コーナーなどなど...。こんな企業、商品、取組があったのか、というのがいくつかありました。

子どもが遊べる大型遊具も。

ご当地Tシャツ
バザール館には、こんなお土産品コーナーもありました。「新潟Tシャツ委員会」による〈 I ♥ N G 〉なTシャツ。どれも3,000円ほど。

GWワークショップフェスティバル
5/1〜5/10は、県内作家による「GWワークショップフェスティバル」が開催されるようです。

観光で来た人が...、と思っていましたが地元の人もけっこう楽しめそうです。




以下は、蛇足です。

納品の際、仕入担当・Nさんから「この前、北書店さんでの北酒場の写真をブログにアップしてましたよね?」と。

「あ、えー、はい。酔っぱらったオヤジたちの(笑)」。

「いや、あの構図というか、感じというか、ジャニーズの写真集っぽいですよ。5人組のアイドルが仲良さそうに写ってる感じ(笑)」。

「え・・・」。

「嵐の写真集とかみてみてください。あんな感じのありますから」。

「ま、まさかそんな風にも見えるとはねぇ...。女子目線だとそうなんですかね。みてみます」。

というやり取りをしました。編集室に戻って、画像検索・・・。

5人組、嵐...。
アイドルはかっこいいですねー。

あらためてこの前の写真は・・・

うーん・・・、どうよ。

人数は同じだけどさ(笑)。

2015年4月13日月曜日

「春山登山展2015」を見てきました。

編集室からすぐ近くの上古町商店街を中心に開催されているアートイベント「春山登山展2015」を見てきました。『LIFE-mag.』の取り扱いでもお世話になっているhickory03travelersを拠点にギャラリー蔵織医学町ビルピクニックの4会場で開催されています。

新潟の若手作家の作品、20ほどが展示されています。毎年、春に開催されていて今回で7回目。常連作家もいて、過去の作品からの変化や、その続き、も見ることができて楽しみにしています。

2時間ほどかけて回りましたが、回り終えて手にしていたのは「古いちゃぶ台」。会場を移動する際、「たも木」という骨董屋を見つけて入り、購入しました。

地域内を歩くように設定されたイベントはその界隈をも再発見するいい機会になりますね。イベントは4/19まで。

[詳細]http://www.h03tr.com/haruyama/

医学町ビルにて、野中春花さんの作品

蔵織にて、のぞみ工房さんの作品

2015年4月6日月曜日

北酒場・2015春の陣

週末、いつもお世話になっている北書店さんで不定期開催されている北酒場・2015春の陣(←タイトルは勝手につけただけ)に参加してきました。先日、このブログでも紹介した『ばらだるま』の編集チームからも数名が参加。私が参加したのは午後11時過ぎ。ピーク時は20名近くいたようでした。写真は終了間際の午前1時半頃のもの。みなさん酔うてます。