2014年1月5日日曜日

謹賀新年・2014



新年あけましておめでとうございます。2013年のご愛読、ご支援、ご協力にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

2014年も学校町通の小さな小さな編集室から、こつこつと仕事を積み重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

3日の夕方に編集室の掃除機かけをして、4日の午前0時からがさごそと資料の整理やら、年賀状、メールの返信作業をはじめました。

以下の文章は、2013年を振り返って年末にまとめていたものです。
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今年の大きなトピックスをここで少しだけ振り返っておこうと思います。大きく分けて3つあります。

LIFE-mag.vol.006【燕三条編】』の発行
本格的に取材をはじめたのは、今年の1月から。約半年間の取材編集期間を経て、発行となりました。新潟市から燕三条方面にいくと、雪が多かったのを思い出します。

街を歩き、人に会い、偶然と幸運の出会いに恵まれ、取材をさせていただきました。『LIFE-mag.』というヨソ者が、燕三条という土地に語りかけ、その応答がvol.006となったように思います。その土地の歴史、風土、漂う空気が、それぞれ取材させていただいた方のカタチを借りて浮かび上がったと感じています。

出版記念イベントをやれていないのが、心残りです。取材させていただいた方のお話を読者の方々といっしょに直接聞く機会を作りたいと思っています。

LIFE-mag.特別編集企画「日本海を結んで考える、『地域』の未来とは」【秋田・山形・新潟・富山・石川編】

燕三条編を取材しながら、着想したものです。「一冊の雑誌を編集する」ということで土地と土地、人と人を結びつけることができるかもしれない。燕と三条という土地を深掘りする中で、新潟という土地を客観視し、次の瞬間に日本海地域という視野に立っている自分がいました。今回は、新潟県と南北につながっている秋田、山形、富山、石川の5県を日本海地域と設定して取材を進めることにしました。「地域づくり」や「コミュニティビジネス」といったテーマを設け、地域にある多様な資源を使い事業を展開されている方を取材しています。

こういった大胆な企画を可能にしたのもインターネット上で活動資金を募るクラウドファンディングの存在が大きかったです。『LIFE-mag.』がお世話になったのが、東京の株式会社サーチフィールドさんが運営する「Faavo」です。

企画を起案したものの果たして目標金額を達成できるのかどうか、大きな不安もありました。目標金額を達成したのは、締切20分前。予想を上回る多くの方々より支援いただけましたことに感謝しかありません。

そんな中、ただただ申し訳ないのですが、発行まで当初予定より遅れての進行になっています。当初予定の10名掲載を倍増させたこともありますが、わたしの計画の甘さに全責任があります。取材は現在も継続中で、20名の掲載予定中、14名の方々に取材させていただきました。
また、年明けからの取材を予定しています。facebookページを中心に取材レポートをあげていきますので、お時間許すときにのぞいていただけますと幸いです。

LIFE-mag.vol.007【新潟・市民映画館 シネ・ウインド編】』の編集を終えて

「シネ・ウインド」の齋藤代表「北書店」店主の佐藤さんから声をかけてもらい、企画・編集に至りました。ことの発端は、『あ・の・ね』という雑誌に連載されていた齋藤さんの「シネ・ウインド日記」を再刊できないか、と二人が話し合ったことでした。そこで、ただ再刊するだけでなく、『LIFE-mag.』なりに追加取材、インタビューを行い、再編集して発行できないかとお話をいただきました。

名もなき市民が作りあげた、あらゆる表現の舞台。シネ・ウインドと齋藤代表、そして、それを取り巻く新潟という街の歴史。いまあらためて多くの方に知っていただけたらと思います。

こちらは年内発行の段取りで一度、刷り上がってきました。しかし、印刷工程におけるトラブルが複数みつかったため現在、印刷会社さんをかえて刷り直し中です。

「雑誌づくり」、「事業経営」の難しさをあらためて突きつけられました。刷り上がりの予定がわかりましたらまたご案内させていただきます。


最後に雑感を。

ここ数年ずっとそうですが、今年もまた自分の無知と未熟さを痛感する日々でした。またあわせて頂いた恩恵やご縁の計り知れなさに感謝する日々でした。

時々ですが、なんだか時代錯誤なことをやっているなとも思えてきます。協働やコワーキング、コラボなどが言われて久しいこの時代。「仲間を集めてみんなで!」というような雰囲気の中で、一人出版社って。楽しさや笑い、軽やかさ分かりやすさが求められる時代に、文字ばっかりのインタビュー雑誌って。しかも、紙媒体。

自分に言い聞かせるためにも確認しますが、『LIFE-mag.』では、取材させていただく方々の割り切れない思いや悩み、葛藤にも寄り添えたらなと思っています。言いたいことを完結にして、結論を最初に言うのではありません。取材させていただいた方々の人生から学びとるべき点は読者ひとりひとりによって大きく異なります。また、そのタイミングも重要です。
創刊前からかわりませんが、カテゴライズされ、割り切られたものではなく、雑種性や関係性の中で捕らえるべきこともあるのではないかといまも思っています。

『LIFE-mag.』発行を続けていく中で、わたしの思っている以上に共感、感動、応援してくれる方々に出逢えることに感謝です。また逆に思っている以上の困難や失敗、批判があることも事実です。その大きな振り子の真ん中で、引き裂かれまいと格闘しているような気もします。そして、その揺れの中でこそ生きていることを実感している自分もいます。
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2014年1月4日午前2時頃編集室前にて撮影

まだまだ未熟な媒体と編者ですが、2014年もどうぞよろしくお願いいたします。