2017年1月29日日曜日

亀田西小学校で教員向け講演

1月18日(水)朝、「年祝い」の取材からその余韻も覚めぬまま一便に乗って粟島から岩船へ戻りました。国道345号から113号へと車を走らせ帰路へ。途中、新潟の珍湯「西方の湯」(胎内市。行きたいと思いつつ、いまだ未踏)を横目に蓮野インターまで出ると国道7号新新バイパスへ。

亀田西小

この日、向かった先は新潟市江南区の亀田。新潟市小学校教育研究協議会の例会での講演依頼をいただき亀田西小学校へ行きました。

船の時間もあって早めに着いたので亀田の食堂で昼飯を。

食堂・長谷六さん

商店街を走ってなんとなく気になった長谷六さんへ。

カツカレー


常備されてる漫画は『ゴルゴ13』と『美味しんぼ』、定食屋の基本セットですね。5話ほど読みながら、カツカレーをいただきました。味も雰囲気も落ち着きます。

依頼のあった協議会では、市内の小学校教員が授業の企画、実施について勉強会を重ねているそうです。今回は「総合学習」についての部会とのことでした。

お題は「調べること、伝えること」。地域誌を編集しているわたしの視点が「総合学習」にもなにか活かせるのではないか? といった意図があったようです。

・創刊の経緯、思い
・起業と創刊にあたってのドタバタ
・はじめての取材エピソード
(ここまでお伝えしてたら、あっという間に時間が過ぎて...。飛んで、次は)
・vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】の企画意図、編集エピソード

などをお話ししました。亀西小の近くのモスバーガーでコーヒーを飲みながら、もっとメモを作ってたんですが、半分くらいしか行きませんでした。

また、事前の打ち合わせで「総合学習に直接的に関係のない話で大丈夫です。教員向けにあえてアレンジする必要もありません」とお話をいただいていましたが、持ち前の貧乏性からか、せっかくならなにか直接的な提案もできたらと思っていました。そこで、たまたまですが、長谷六さんで昼飯を食べた後、町を歩いて思ったことをひとつだけ提案しました。

諏訪社

亀田の東本町にある諏訪社の入口です。昔ながらの商店が並んだ先に諏訪社があり、鳥居のすぐ後ろには大きな松が斜めにそびえています。人びとの暮らしのすぐそばに古くからの信仰が隣り合わせて残っています。もし、新潟を舞台に『こち亀』が描かれることがあればぜひ秋元治さんの絵で見てみたい一角です。

まずは講演が無事に務まるよう参拝。

ふたたび大通りへ戻ろうと歩いていると気になった商店がここ。

加藤商店

べつに凝視したわけではありませんが、なぜか足が止まって、目に入ってきたのが店内のこの刷物です。

大正15年の暦

古い引き戸を開けて挨拶すると奥様が対応してくれました。

加藤商店は海産物や塩、肥料などを扱うお店で、明治40年の創業。創業100年以上になります。この写真は大正15年の暦で、当時の得意先に配ったものだそうです。左下をよく見ると、大正14年に北蒲原郡水原町の丸山慶八が印刷したとあります。

諏訪社の宮司さんが、自宅の倉庫を整理していたらたまたま出てきて、「本家に戻すよ」と持って来てくれたそうです。写真はコピーですが、本物は刷物になっています。

煮干し

店先に「煮干し」が並んでいたので、一袋買って、御礼を言って出てきました。

講演でこのエピソードを紹介した上で、総合学習でこの商店を取り上げてもいろいろと学びがあるのでは? と提案しました。

例えば、
・お店の歴史は
・この通りの移り変わりは
・お客さんとのエピソード
・煮干しでダシを取ってみる
・当時の海産物や塩、肥料とは
・太陽暦や支那歴とは
・この時代の他の刷物は
などです。

Life-mag.風に町を歩いて、子どもたちとなにかを学ぶとしたらこんな感じでしょうか。いつか亀田も取材してみたいですね。

いつも通り拙い話で恐縮でしたが、聴講いただいた先生方、お声がけいただいた佐藤先生、小林先生、ありがとうございました。

2017年1月27日金曜日

仙台でトークイベント

3月17日、トークイベントで仙台を訪ねます。

昨年11月に沼垂でお会いした雑誌『インフォーカス』を制作する相沢さんに企画いただきました。申込は、フェイスブックイベントページ専用ページから。会場の「火星の庭」さんを訪ねるのも楽しみです。

仙台を訪ねるのは初めてなので、この機会に周辺の太平洋側の東北もすこし歩けたらと思います。3月の連休前夜です。お近くの方も、ちょっと遠い方もこの機会に仙台を訪ねてみるのはいかがでしょう。

以下、告知を転載します。

チラシ

新潟のローカル誌、『Niigata Interview Magazine Life-mag.』の取材・編集・発行を全て一人で行う小林弘樹さんを仙台にお招きし、トークイベントを行います。Life-mag.のこと、出版のあれこれ、ローカルに根ざしたメディアのあり方等をお聞きしたいと思います。

【『Niigata Interview Magazine Life-mag.』とは】
新潟在住の小林弘樹さんが取材から編集、発行までを全て一人で行うローカル誌です。「生き方の多様さこそが、その街の豊かさ」をモットーに、芸術・芸能、政治、産業、宗教、学術など、多様なテーマでインタビューを展開。靴底を磨り減らし、各街々を訪ね歩き、聞き書きし、発行を重ねています。

【イベント詳細】
出 演:小林弘樹
聞き手:相沢由介
参加費:1,000円(当日、Life-magの販売も行います)
会 場:火星の庭(仙台市青葉区本町1-14-30-1F)
定 員:30名(要申込)
時 間:19:30~20:30トーク、20:30~21:00質疑応答
申 込:http://infocus.srepo.com/lifemag_entry/

【企画・運営】
『宮城を視るドキュメンタリーマガジン IN FOCUS』相沢由介

【お問合せ】
aizawa.infocus@gmail.com
090-6253-8812(相沢)

2017年1月24日火曜日

粟島の年祝い

1月17日、「年祝い」の取材で粟島に行ってきました。内浦地区で今年、厄年の人の厄払いを行う行事です。

八所神社で神主さんから厄払いの祝詞をあげてもらい、そのままお宮ですこしの宴会。そして、集落へ出て、お菓子をまきます。

菓子まき

「厄」をみなで分け合う意味があるとのこと。小さな島で苦楽をともにし、ときに分かち合いながら暮らしてきた島の風土を感じる伝統行事でした。

その後、観音寺の「やす突観音」のお堂に移動して、住職からお経をあげてもらいました。神様にも仏様にも手を合わせる島の信仰をみるようでした。

観音堂にて

夕方から夜にかけては、厄年の方のお宅に内浦神楽会が出向いて神楽の披露がありました。この日、行われた2軒ともお邪魔させていただきました。みなさんと一緒に料理とお酒をいただき、神楽や余興を楽しませていただきました。

お昼からお酒をいただいていたので、途中で寝てしまいました...。スミマセン。

神楽と余興

粟島の方々にあらためて感謝します。いつもありがとうございます。

18日も滞在したかったのですが、新潟市内で仕事があったので帰ることに。冬場、船が欠航する日が続き、取材したいと思っても粟島に行けない...という日もありますが、引き続きこつこつと取材を進めたいと思います。

2017年1月8日日曜日

「店は土。主は風。客は種。金は水。」神戸を振り返って

2016年10月24日に神戸の作家・WAKKUNトンカ書店の森本さんにお声がけいただいて登壇したトークイベントの振り返りをアップします。あらためていただいたご縁に感謝します。ありがとうございました。

左・WAKKUN、右・森本恵さん

トンカ書店店内

まさに大人の秘密基地。打ち合せで20分ほど滞在しただけですが、様々な年代のお客さんが入れ替わり立ち替わり来店。

ちょっとした手土産にと思い弥彦酒造の梅酒と、新潟を発つ直前に岩室産業まつりで買った「良寛ドーナツ」をお渡し。ドーナツはたまたま居合わせた福岡出身だという女子大生にもお裾分け。森本さんが「ど〜ですかぁ」とさらりと会話をはじめてました。言うまでもないですが、プロですね。「こちらいま新潟から来た、こばやしさんです〜」と紹介してもらって挨拶すると、Life-mag.を即買い。「新潟行ったことないけど、読んでみます!」と女子大生。

以下は、神戸でいただいた紙モノの紹介です。

左・『てがみ』、右・『54才の絵日記』

 WAKKUN作の絵本『てがみ』。言葉を伝えること、時間をかけて伝わること、言葉にできなかったなにか、に思いを寄せられる絵本です。出版|マイレぶっくす|http://maillet.exblog.jp/22964739/。『54才の絵日記』はWAKKUNの絵日記(エッセイ)。

別冊・SANPO

こちらは森本さんも参加する「KOBE喫茶探偵団」が発行する会報?といったらいいのかな。神戸の喫茶店のマスターに店の歴史を聞き書きしてまとめたものです。店の歴史からかつての時代、風俗が浮かび上がってきて読ませます。ツルヤの「ネーポン」というジュース工場のレポもいいです。こうも面白がって町を見る視点があるとは...、共感と羨望です。真似したい。500円で購入。トンカさんに取り扱い有。フェイスブックページ|https://www.facebook.com/kobekissatanteidan/

HAZIME-MASHITE

トークイベントに、モード系のイケメンであきらかに目力のある男子大学生が来てくれました。加藤雄太くんです。彼は街頭で「はじめまして」と声をかけて、話した相手から聞いたエピソードをまとめた冊子を作っています。「え?」と思うかもしれませんが、そのまんまなんです。その行動力たるや。年齢、国籍、職種よくもここまでいきなり話しかけられたな!と思いました。NHKのドキュメント72時間と似てるかも。プロジェクトのフェイスブックページ|https://www.facebook.com/hazimemashite1995/

フリーペーパー『ALONE』

イベント終了後に手渡しでいただきました。大藪茉莉子さんが発行するフリーペーパー『ALONE』。10年以上続いていて、10周年イベントをトンカさんでやったそうです。下段・中の第40号では、イベントで受付を手伝っていただいたイラストレーターの太田朋さんのインタビューが掲載。紙モノを通じて町の呼吸を感じます。

競馬評論と半生記年表

こちらもイベント終了後に手渡しでいただきました。櫻井康行さんの競馬評論と半生記年表です。ウェブで書いて発信するのではなく、紙に刷って手で渡す、という文化が神戸にはいまも生きているようです。

櫻井さんは個人的に競馬評を書いてコピーし、友人らに手渡ししていたそうですが、「なぜ自分がそこまで競馬に惹かれるのか? 半生を振り返って伝えた方がいいのでは」との周囲のススメで年表を作ったそうです。勧めたのはトンカさんだったかな...、うる覚えです。

(引用)
2005年(37歳)
7月以降、派遣(日雇いなど)での生活。収入不安定となる。
12月第4週競馬有馬記念の負けの後、年越しのため冷凍食品倉庫(マイナス25〜30℃)2日アルバイトし、無事年越しする。競馬という人生の目標があったので、冷凍庫はつらくなかった。
(おわり)

こういった流れで、23歳から48歳まで続きます。

ポストカード

イベント時、受付を手伝っていただいたイラストレーターの太田朋さんのポストカード。


ん?


この雰囲気のイラストは...。

粟島馬物語

そうです。

なんと太田さんは『粟島馬物語 人と馬の暮らし』のイラストを担当された方だったんです。こんな巡り合わせもあるんですね。驚きました。

縮布とおけさぶし

こちらもイベント終了後に声をかけていただき、後日、送っていただいた本。阿部栄作『縮布とおけさぶし』です。新潟県の「小千谷縮布」は、兵庫県の明石地方(明石縮布)から伝わったもので、その技術の伝播にともない「おけさ節」もやってきたのでは、という研究報告書。12月26日に「おとなプラス」の忘年会があって、越後線で新潟まで出たんですが、その車中で読みました。送っていただいたのは、兵庫県高砂市で「本と。」を経営する楠本朋子さん。フェイスブックページ|https://www.facebook.com/honto.Takasago/


去年、[巻]のたっつぁんに借りて読んだ本に出てきたサウダージ・ブックスの淺野卓夫さんや苦楽堂の石井伸介さんもイベントに来ていただきました。石井さんからは、新潟日報が発行した新潟地震の写真集を見せてもらいました。「明治時代、人口が一番多かったのは新潟だけど、2位は兵庫なんだぜ」と豆知識も。

とまあこんな感じで、神戸での出来事をなにかブログに書こうと思っても、受け取ったモノのあまりの大きさについ後回しになっていました。地方都市(新潟)で紙の雑誌をひとりで作っているヤツが来る、ということで紙モノに関心が高い人が集まったんだと思いますが、それにしてもすごい引力が働きました。

最後にざっくりとしたまとめです。

森本さんはお店に集まるお客さんの才能を(も)引き出すのがうまいと思いました。お客さんとの立ち話から「それ面白いなー。なんかやれんでしょうか」と様々なイベントを開催してきたようです。(聞きかじり情報ですが)

森本さんと話したのはごく短時間ですが、イベントに集まっていただいた人たちと話していると、これは森本さんがトンカ書店に、WAKKUNが神戸の町に耕してきた土壌があって、わたしはそこに吹いた風に触れさせてもらったんじゃないかと思いました。Life-mag.の知名度にお客さんが集まったわけではありません。

「店」は耕してよくしていく「土」のようです。「主」がどんな店を作るかでそこには独特の「風」が吹きます。そして「客」が持っている様々な欲求や価値観や感性という「種」は、その「風」に乗ってやってきて「土」に育てられます。そう考えるとモノを買うときに支払われる「金」は「水」のようですね。

神戸のトークイベントを振り返って、書きながら考えた結論。

「店は土。主は風。客は種。金は水。」

2017年1月6日金曜日

【西蒲原の農家 編】取材へ、吉田本町きゅうり生産者・近藤圭介さん

近藤さん

今日は【西蒲原の農家 編】取材で、燕市吉田本町できゅうりを生産する近藤圭介さんを訪ねました。ちょうど「接ぎ木」作業中ということで、今日は撮影のみでした。

カボチャの苗木にきゅうりの苗木を「接ぎ木」すると、病気にかかりにくく、しなかったものに比べて白っぽい粉が吹くことなく、ツヤのあるきゅうりが育つとのこと。一本一本手作業で、切り目を入れて、苗と苗をつないでいくこと、約3,200本。春先のおいしいきゅうりの影には、雪のちらつく真冬の手作業があるんですね(いや、ビニールハウス内は暖かかったですが)。

あと、上の写真で近藤さんは漫画『ドカベン』の岩鬼正美の真似をしているわけではありません。作業の途中で、きゅうりの葉をくわえて、かぼちゃの苗木に移植しているんです。よく見ると右奥のお父さんもくわえてますよね。一応。

接ぎ木作業中の手元

接ぎ木体験中

今日の取材はいわむろやの小倉くんと一緒でした。接ぎ木体験をした後、畑を歩きながら小倉くんはぼそりとこう言いました。

「これがほんとのケッコン(結根)」

インタビュアーとして、聞き逃しませんでしたよ。

今日の取材で10人目でした。これまでの原稿を起こしながら、誌面をレイアウトし、次の取材の準備をしています。そろそろ初回原稿を持って、一度取材した方にも補足取材、校正確認にも回りたいところです。

あらためて、西蒲原の土地は美味い食材、それを丹精込めて生産する農家がたくさんいるんだなと思わされています。引き続きがんばります。