2016年12月31日土曜日

新潟日報「おとなプラス」に寄稿しています

2016年11月1日創刊の新潟日報「おとなプラス」に外部ライターとして寄稿しています。タブロイド版紙面の1〜3面がひとつの特集になっていて、ひとりの記者または外部ライターが担当しています。

報道部第二部長の中村茂さんからお声がけいただきました。最初の説明は8月8日。その後、9月2日に全体説明を受け、企画、取材へと進んでいきました。

創刊から2ヶ月、わたしが担当したのは3回です。

粟島のお祭り

11月7日付け(8日配達地域もあり)の粟島の島祭り。Life-mag.の取材と重ねてやらせていただきました。経費的にもありがたい機会でした。祭り当日の未明から太鼓を打ち鳴らし、「おこわをふかせ!」と集落を練り歩く「ヤレカカ」が新潟日報紙上に登場したのは初めてだったそうです。内浦、釜谷両地区のお祭りを取材しました。

Life-mag.で書きたかったことをほとんど書いてます(笑)。

国上山の良寛

11月30日付け(12月1日配達地域もあり)の国上山の良寛。Life-mag.【燕三条編】や【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】でかすりはしたものの、真正面から書くのは初めてでした。自分で提案したテーマでしたが、語り尽くされてるテーマでもあり、自分なりの視点を見つけるのに苦労しました。取材をして、原稿を書き、良寛の歌に出入りしてみると、その存在がぐっと身近なものになりました。

良寛については多くの作家、研究者が〈良寛論〉を書いていますが、基本的なことをおさえたら、歌集をめくって、江戸後期の蒲原平野に暮らした人びとの悲喜、国上山周辺の移ろう四季に自分なりに思いをはせて楽しむのをおすすめします。

取材でお世話になった燕市の「里山 花とみどりの会」増田道男さんが、ガイドを務める国上山のトレッキングツアーも面白そうです。

クリックで拡大

問合:燕市観光協会(http://tsubame-kankou.jp/
「工場」も盛り上がってますが「自然」も燕市の魅力ですね〜。

山北の食文化

12月21日付け(22日配達地域もあり)の山北の食文化。粟島取材で出会った粟島浦小中学校の星和富校長から、「山北に面白い人(加藤英人さん)がいるから訪ねてみるといいよ」と紹介いただいたことにはじまります。その後、編集会議のときに新潟日報の野沢達雄さんから、「小林くん、山北に興味あるならこんなツアーあるよ」と紹介いただき、取材へと繋がっていきました。Life-mag.と同じで「ご縁を結んで歩いていく」そんなスタイルでこちらも取材をすすめています。

村上市街までは知り合いを訪ねて行ったことがありましたが、山北は初めてゆっくり訪ねました。わたしの企画の絞り方が甘かったこともありますが、3ページの紙面ではまだまだ山北の魅力は伝えきれませんでした。個人的にまた訪ねたいです。

一部60円で、県内約200店舗の新潟日報販売店「NIC」で買えます。ただ、すべてのNICがバックナンバーを保管しているかどうかは未確認です。要問合。

以上です。

基本的には、3ページ分の企画、取材、撮影をひとりで担当しますが、新潟日報報道部の笹川克年さん、阿部義暁さんに適宜アドバイスをいただきながら紙面を作っています。散らかりがちなわたしの文章に的確なアドバイスをいただいています。お二人にみてもらうとだら〜りとしていたわたしの原稿が、ピシャリと音を立てて整うようです。この作業は新鮮ですし、かなり勉強になります。

年明けからは柏崎や津南方面を取材予定です。2017年前半は、vol.010【粟島編】、いわむろやさんから依頼いただいた【西蒲原の農家 編】などの仕事も並行していて、あちらこちらを動き回ることになりそうです。

それから蛇足ですが、わたしは10年前は新潟日報の配達店「NIC」に勤めていて、新聞配達、営業(拡張という)、給与計算、折込指示などの仕事をしていました。10年後にその紙面を作ることになるとは思ってもみませんでした。

当時を思い出すと、現場の〈肝っ玉〉おばちゃんスタッフたちは、地域のお客さんたちと日頃からの挨拶を重ね、顔をつないで、頭を下げて、1部の契約を取ってきていました。2016年10月の新潟日報夕刊発行部数は、約29,000部だったそうですが、11月のリニューアル時には、約42,000部になったそうです。

その1部1部の契約の裏に、どれほどの時間と労力が注ぎ込まれたのかを思うと、あらためて気を引き締めなければなりません。11月1日、新潟日報本社ビル「メディアシップ」で行われた創刊パーティに出席させていただきましたが、NICのおばちゃんたちの現場での奮闘ばかりが頭に浮かんで、なんだか居心地が悪かったです。華やかな席に慣れていないだけかな...。

話をもとへ。他の記者さん、ライターさんの原稿には学ぶべき点が多く、取材執筆の度に自身の力不足を痛感させられる機会になっています。来年以降もいい記事が書けるよう尽力したいと思います。

仕事紹介でした。

斎藤純子『消えた角海浜』とBricole『うつろうもの のこるもの』

大晦日ですね。すす払いと冷蔵庫掃除、掃除機がけをやってからの更新作業です。

先日、[巻]の斉藤文夫さんを訪ねると、斎藤純子さんの『消えた角海浜』という本を紹介してもらいました。(文夫さんの娘さんではないです。一応)

『消えた角海浜』

旧巻町にあった角海浜集落の歴史を松の老木に語らせて紹介する一冊です。能登からの移住者の話。美しい海岸にあった鳴き砂。毒消し売りの娘たちの暮らし。西蒲原や燕の農地干拓のため掘削された樋曽山隧道、その影響で村にあった染物屋も使っていた水が涸れたこと。東北電力の原発誘致計画が来たときの集落の反応。後半は、集落内の不倫の話も(!)。

斎藤さんは1950年生まれで、音楽関係の仕事を経て、庶民史の研究をされている方だそうです。2016年12月23日発行。税込800円。いまのところ、旧庄屋佐藤家北書店に取り扱いがあるとのこと。

『うつろうもの のこるもの』(税込1,500円)

また合わせて読むと面白いのがブリコールさんが今年8月に発行した『うつろうもの のこるもの』です。

写真家で郷土史家の斉藤文夫さんが昭和20年代から角海浜に通って、地域の人たちと交流しながら撮影したエピソードの聞き書き。映画『阿賀に生きる』の制作スタッフと、斉藤さんらを交えた「いろり座談会」(2014年4月27日)の書き起こしをまとめた本です。

わたしも座談会に参加させていただきましたが、得るものが大きく、さらに本にしてまとめて振り返れる、残して他の人にも伝えられるという、その一連の流れもいいなぁと思っていました。

ブリコールの桾沢さんご夫婦はわたしと同世代で、同じく新潟を拠点に本づくりをやっているということで、発行が自分ごとのように嬉しく、発売直後に5冊買いました。編集室を訪ねてくれた人に売ろうかなと思っていたんですが、「この人には読んでもらいたい!」と思う人にあげていたら無くなりました...。

昨晩、読み返していましたが、やはり読ませます。

P.70「つながりのあるお金」での大熊孝さんの指摘をあらためて確認できてよかったです。数百億円というお金が使われたが、排水機能以外になにも生み出さなかった大通川放水路と比較して、西川と新川の立体交差(1820年)という人口水路(=土木技術)は内野町(新潟市西区)の食文化、料亭、酒蔵など人の暮らしを創出したという箇所です。

すべての土木開発に「ノー」というわけではなく、人の暮らしや歴史や文化を踏まえた開発もあるのでは? という指摘かなと受け取りました。いつかLife-mag.【内野編】を狙ってもいるので、その種をもらいました。

また、P.72「問われているのは自分」での旗野秀人さんの発言も身に迫ります。

2冊をめくっていて思うのは、光輝いていたかに見えた明るい時代(や人や技術...)にも影はあったんだなということです。と、同時に思わされるのは、暗いかに思われる時代にも必ず光はあるんだということ。光と影、表と裏、どちらもよく見通して物事を考えられるといいですしね。

2017年のお正月におすすめの2冊です。

2016年12月30日金曜日

ブックスはせがわさんの「本を届ける、本を見つける」in SHIRONE PRESSO

「本を届ける、本を見つける」DM

取り扱いでお世話になっているブックスはせがわさん(悠久町・長岡)が、期間限定でギャラリーを貸し切って本屋をやるそうです。昨日、会場のSHIRONE PRESSOさん(白根・新潟)に納品に行ってきました。

写真家の上杉敬さんが開いたギャラリーで、ギャラリー兼カフェです。上杉さんは、写真家として第一線で活躍している方です。昨日は挨拶程度でしたが、会期に訪ねたときにいろいろ聞いてみたいです。ウェブ:http://keiuesugi.viewbook.com/

会期は2017年1月5日〜29日。真冬の白根散策と合わせてどうぞ。

入口。白根小学校の裏あたりです。駐車場あり

ギャラリーが本屋に。会期が楽しみです

昨日の午前は貴重な冬の晴れ間、息子と角田山と上堰潟公園と「越王の里」に行ってきましたが、午後は一転「ザ・新潟の冬」といった感じでしたね。重い雲に覆われ冷たい雨がふってました。年の瀬ですが、やれる仕事をこつこつと重ねています。

2016年12月25日日曜日

南陀楼綾繁さんと粟島取材へ

粟島汽船岩船港にて。中・本保越洋さん、右・ナンダロウさん

なかなか経過報告ができていませんが、【粟島編】の取材を続けています。12月12日〜13日は、ライターの南陀楼(ナンダロウ)綾繁(アヤシゲ)さんと一緒に粟島に行ってきました。

南陀楼さんとは【シネ・ウインド編】に寄稿してもらってからのご縁です。また、今年6月、ニイガタブックライトさん主催のトーク、10月の神戸市でのトークでもご一緒しました。

そのトークの際にも「Life-mag.粟島編でまたなにか書いてみませんか?」と話題になっていて、今回、その機会を作ることができました。

ナンダロウさんに依頼したのは、粟島と岩船を行き来する定期船のなかで産まれたという本保越洋さんの出産エピソードです。当時の船が「こしじ丸」だったそう。また越洋さんは家族3世代で粟島で暮らしていて、その暮らしぶりを含めて誌面にできたらなと思いました。そして、写真の通りお仕事も粟島汽船。

弱小雑誌といえど、曲がりなりにも編集者で(も)ある以上、「なんでも自由に〜」ではなく、ナンダロウさんにこんなテーマで書いてもらったら面白いかなというのを見つけてから依頼したいなと思っていました。こんなテーマはどうかなと思ったのは、10月26日〜28日まで、内浦祭礼のお祭りに取材に行ったときです。

地元の方々と夜中、お宮でお酒をいただきながらいろいろとお話を聞かせてもらっていました。その中で、ふとこの話を聞いて、ぜひ記事にさせてもらいたいとお願いさせていただきました。

どんな誌面になるか...、乞うご期待。

以下は、滞在中の写真です。

冬期間で資料館、図書館は閉館中でしたが、管理人の林誠さんにお願いして見学させていただきました。写真は、板碑群を見学中のもの。

最も古いのは1354年の建造。約140基ある

今回、宿泊でお世話になった民宿「与平」の本保優太さんからは粟島一周を案内してもらいました。夜のお刺身も美味しかったですが、お昼にいただいた粟島野菜たっぷりのカレーも美味でした。与平のお母さんありがとうございます。

釜谷地区を散策。強風のなかだったので表情がけわしいです...。

帰り際、ゲストハウス「おむすびのいえ」の青柳花子ちゃんを訪ねるとナンダロウさんの本『谷根千ちいさなお店散歩』の読者でした! しかもこの本を読んで谷根千を訪ねたというからすごい。粟島にきても読者に会うというのはさすがナンダロウさん。

左・青柳花子ちゃん

岩船港に着いてからは、村上市図書館にも寄りました。ナンダロウさんの目当ての本や情報を見つけるスピード、現場での歩き方、プロ意識は多いに勉強になりました。

引き続きこつこつと島に通いたいと思います。

2016年12月20日火曜日

おすすめ本・藤田孝典『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新書)

続・下流老人

おすすめ本の紹介です。

埼玉県でホームレス支援、生活困窮者支援を行うNPO法人ほっとプラス・藤田孝典さんの『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新書)を読みました。現在の日本社会で急速に進行している「貧困」の実態を報告し、年金・医療・介護制度の欠点(破綻)を指摘、さらに「ではどうすればいいのか?」を提案した本です。

「下流老人」とは「年金や貯蓄が少ないうえに、病気や事故、熟年離婚など、やむを得ぬ事情により貧困生活を強いられている高齢者のこと」。特徴は「収入」「貯蓄」「人とのつながり」がないこと、と定義されています。

以下、本書で示されているデータです。

生活保護対象の世帯は約162万世帯(2016年6月、厚生労働省発表)いて、そのうち65歳以上の高齢者世帯が約83万世帯あります。しかし、この数字は生活保護を受給できている世帯のことで、実際には「生活保護基準未満世帯における生活保護の捕捉率」は2〜3割とも言われているとのこと(都留文科大・後藤道夫名誉教授調べ)。つまり、生活保護基準よりも少ない収入で暮らしている高齢者の7〜8割は生活保護を受給していない(制度とつながっていない)ことになります。

2013年度末時点で、65歳以上の高齢者が受け取っている年金月額は6〜7万円が約460万人、5〜6万円が約330万人、7〜8万円が約320万人。「収入」の面で高齢者がそういった状況にありますが、しかし、総務省の「家計調査報告」では単身高齢者の1ヶ月の平均支出額は約14万円とのデータが出ています。毎月の不足分は「貯蓄」や「労働」によって補わなければなりません。

他にも貯蓄額や老人ホームの入居費用などのデータも示されていて、いまの日本社会では、誰もがふとしたきっかけで「下流老人」になることが指摘されています。

「あそこの80歳のじいちゃん、ついこの間、納屋で首を吊ったんだって。ここらじゃ珍しくねえんだ」。

いくつかの事例もあげられていますが、そのひとつひとつが切実です。

ではどんな社会にしていけばいいのか? 著者の提案は、「脱商品化」をキーワードにした社会です。それは、医療、住宅、教育などの誰もが生きるために必要な「社会的共通資本」は政府が整備すること、社会保障は「現金給付」によるベーシックインカムの考え方ではなく「現物給付」とするといった政策です。

これらは「社会を変えるには」という壮大な提言でもあります。しかし、社会を覆う閉塞感と不安感から「貧困は自己責任」と問題を矮小化することなく、どんな社会を目指すべきかをそれぞれが自分事としてとらえ、小さな声をあげ続けることが大切と提案されています。

困窮者支援の現場に立ち続け、個別具体の声に寄り添い、ともに悩み、嘆き、悲しみ抜いてきた著者だからこその危機感と情熱がこもった一冊です。

ぜひ一読を。

[詳細]http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18665

著者と学生時代、ビールを浴びて一緒に騒いでいたのはもう遠い過去。いまでは彼は連日の講演会、新聞、雑誌、テレビへの出演、果ては国会でも参考人として発言と、八面六臂の活躍です。わたしに出来るのは本を買うこと、学ぶこと、自分なりに解釈してまた人に伝えることかな。

陰ながら応援しています。

2016年12月15日木曜日

里山ビジターセンターでトークイベント

里山ビジターセンター1Fホール

2016年12月11日、新潟市秋葉区の里山ビジターセンターで開催された「里山トークライブ」でゲスト・原 淳一さん(NPO法人アキハロハスアクション)の聞き役を務めました。お題は「Akiha里山が育む子どもの感性と生きる力」。

原さんは、にいつ丘陵の北端である秋葉山のなかに2011年4月、「Akiha森のようちえん」を開園させました。秋葉山のなかに10のフィールドを設定し、一年を通じ、子どもたちを森のなかで遊ばせています。

前半は、本業である造園業をやりながら感じた「公園整備」に対する矛盾、開園のきっかけになったドイツの「森のようちえん」見学などのお話を。

「開園時、一番苦労したのは?」との質問には、「いろんな人を巻き込んで迷惑もかけたかもしれませんが、わたしは好きでやってるので、苦労としてとらえてなかったかもしれません」との答え。

原さんと話していて思い出しましたが、2013年夏に取材にお邪魔させていただいたとき、子どもが自分の背丈よりも高い木に登っているのを見て、わたしはつい「あ〜、危ない、危ない。大丈夫?」と声をかけていました。しかし、原さんはじめスタッフさんは、とくに注意するわけでもなく...。

そのことを聞くと、「あの木に登っていたのは、最初の太い枝まで垂らしたロープにつかまって登れる子だったと思います。そこまで行ける子は登ってもいいと考えています。ただ、初めて登る子や、心配がある子が登るときも、すぐには止めたりはしません。覚悟をもって見守るんです」ということでした。

そこには子どもが成長のきっかけになるようなリスクは排除しない。子ども自身が自分の力量と危険性を自分で判断して、挑戦する機会を与えたいという思いがあるそうです。

「Akiha森のようちえん」では大人が指示してなにかをさせるのは2、子どもたちの自由時間が8になるような時間の過ごし方をしています。子どもたちの興味関心、得意不得意はばらばらです。その多様性を大切にしたい、単一の杓子定規を持って評価や競争をさせることはしないという方針があります。

後半からは原さんの話も熱をおびてきて、その溢れる情熱に触れることができました。

企画いただきました里山ビジターセンターの石添政子さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

中・石添政子さん、右・原淳一さん

いやはや、それにしても拙い聞き役でした。自分の場を仕切る力の乏しさに愕然とします(毎度...)。来場いただいた皆さんにとっても頼りない聞き役だったかと思います。失礼しました。

最後に、今回のトークイベントの準備から本番を経て感じたことを一言、二言。

ひとつめ。

里山の自然に触れるということは〈無意識〉に触れることのようだと思いました。反対に、人工物で囲まれた都市や街は〈意識〉のなかで過ごすことではないでしょうか。

また〈無意識〉に触れることは、わたしたちの世界が抱えたまま、いまだ知り得ない〈未知〉に触れることとも言い換えられると思います。まだまだ知らない世界があると思うと、好奇心が湧き上がってきませんか? わたしは取材の企画を立てているときはそんな思いでいます。

もうひとつは里山ビジターセンターが新潟市の里山の魅力を発信するメディア(媒介者)になっていったらいいなぁという提案です。にいつ丘陵地域にはすでに様々な団体が里山の魅力を発掘、発信する活動を行っています。原さんも教育を通じてその役割をかなり担ってきました。そういった団体を繋いで、発信していくといいのではというものです。

例えば、「にいつ丘陵ファンクラブ」のようなものを作って、その魅力を再発見する機会(ワークショップ、トレッキング、講演会、音楽会、展示会など)をつくっていくのはどうでしょうか。

にいつ丘陵地域や近隣地域である五頭山(阿賀野市)や角田山(新潟市西蒲区)や護摩堂山(田上町)や加茂山(加茂市)などの地域で活動している方々を結べば、教育、歴史、考古学、自然(昆虫、植物、野鳥)、写真、トレッキング、食など様々な角度から里山の魅力をPRできると思います。きっと面白い人がたくさんいるんだろうな。

原さんたちが子どもたちに向けて活動を行っているのに対して、里山ビジターセンターは大人たちに対して、自然に触れることの楽しさ、里山の魅力を伝えていく活動ができたらいいのでは? と思いました。

里山に合う音楽会もよさそう。発想は自由ですが、やる方は大変ですよね...。

以上です。

秋葉区役所Webでも告知いただきました

市民としても里山ビジターセンターの活動を陰ながら応援、注目していきたいです。お世話になった皆さま、ありがとうございました。

2016年12月8日木曜日

エフスタイル15周年記念ライブFOLKLORE+内田輝

2016年11月23日、エフスタイルさん(愛宕・新潟)の活動15周年という節目に行われたライブFOLKLORE+内田輝に行ってきました。お互いにもとは学校町通エリアに事務所があり、またLife-mag.の取り扱いでもお世話になっているお店です。

FOLKLOREのお二人(AOKI,hayatoさんとharuka nakamuraさん)のアルバムは仕事中、しょっちゅう聴いています。ライブ後、AOKIさんに挨拶しましたが、もうファン過ぎて「よかったっす」しか言えませんでした。今回、新潟でライブを聴ける機会をつくってくれたエフスタイルさんに感謝。

そこに流れた音楽と時間と空間は、すべてが丁寧に織られたもののようで、その肌理の細やかさが静かな覚醒へと誘うようでした。

sonihouseさんのP.Aも極上

フライヤー

[予告]Life-mag.別冊【西蒲原の農家 編】

別冊特集【西蒲原の農家 編】

現在、新潟市西蒲区の岩室温泉にある「新潟市岩室観光施設いわむろや」さんからお声がけいただいて、別冊の特集号を制作しています。

いわむろやさんは2012年6月から「農家交流レストラン やさいのへや」という食事会を開催し、岩室温泉をはじめ西蒲原地域の農家さんがつくる四季折々のお米、野菜、果樹を各回ひとつづつ取り上げて食事を提供、農家さんと消費者の交流を図ってきました。

「やさいのへや」の様子(facebookページより)

基本的には月2回ずつの開催で、すでに100回以上開催し、23人の農家さんをゲストに招いてきました。その活動を通じて出会ってきた農家さんの思いや、農産物の特徴をまとめたような冊子を〈Life-mag.風〉に仕上げてもらいたい、また、観光できた人が参考にして地域を回ってもらえるような内容にもしたいといった依頼でした。

農業と観光を結びつけたような冊子とも言えるかもしれません。

9月の中頃にいわむろや館長の小倉壮平さんから話があり、相談しながら取材の前半を進めてきたところです。10数人の農家さん、農と食に関係する取り組みを行っている方々に取材する予定です。

いまのところ6人の農家さんを取材しましたが、土に触れいている方々独特の雰囲気なのでしょうか、読後感ならぬ、取材後感がどの方も気持ちがいいものでした。

B5版で40数ページ、2017年2月末の発行予定です。定価をつけて販売できるものにしたいと思っていますが、取材をもうすこし進め、いわむろやさんの要望を何度か聞き取りしないと、まだ見えてこないものも多いです。取材の進捗など公開できるものがありましたら、こちらでも紹介させていただきます。

vol.009【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】と重なる地域もあって、ここでは農業分野を取り上げられなかったので、それを補足する形でもいい機会をいただきました。

西蒲原地域の農家さんの魅力、農産物の豊かさを伝えられるような冊子になるよう尽力したいと思います。

2016年12月7日水曜日

弥彦山登山道「清水茶屋」茶屋仕舞いへ

先月、【寺泊・弥彦・岩室・巻 編】で取材させていただいた弥彦山登山道「清水茶屋」の田中さんを訪ねる機会がありました。



その際に「今シーズンの茶屋仕舞いにカモ鍋を振る舞うから来な〜」とお声がけいただいていたので、11月27日に行ってきました。

山小屋のカウンター。カモ鍋や煮物、漬け物をここで取り分けていただきました

カモ鍋。常連さんたちから鴨肉や野菜など差し入れがたくさん届くという

「昨日も登ったけど、またお母さんの顔見に登りに来たよ!」と常連さん。

茶屋近くの紅葉もきれいでした

息子と1合目まで登りました。ひょいひょいと行くもんですね

最後は神社に参拝。菊祭りが終わったばかりで、菊たちはちょうど打ち上げ中でした

アートサロン環主催の「器と酒の肴を楽しもう!」に参加

先日、ブログで案内したアートサロン環さん(東出来島・新潟)主催の「器と酒の肴を楽しもう!」に参加してきました。

会場は茶房歩"らりさん

2016年12月1日18:00〜。お酒が出るイベントだったので、電車とバスを乗り継いで会場へ。だいぶ早く着いてしまったので、店内カウンターに座っていると、仕事中に聴いてる音楽が。キース・ジャレットの「The Melody At Night, With You」でした。イントロでよくわかったねぇ? とマスター。他の名盤も教えてもらいました。普段は喫茶店になっています。50年前から鳴らしているJBLのスピーカーを目当てに行ってもいいかも。

アートサロン環のオーナー・横木さんの挨拶から

環さんには、先代のオーナー・神田さんの頃からお世話になっています。訪ねたのはたしか創刊号を出す前、2008年春だったような...。

料理研究家の中島有香さんの酒の肴3品

テレビや雑誌などで一方的にはよくお見かけしてました。料理の解説を。

右・塩辛のケーキ・サレ、左・季節の魚のカルパッチョサラダ、奥・鶏とポテトのフリットエスニックソース

日本酒は「鶴の友」(内野町・新潟)や「真稜」(長石・佐渡)を。三人の作家さん作のおちょこをひとつ選んで(お土産にいただきました)、酒と肴に舌鼓。わたしは上越市の木工作家・大藏豊彦さんの漆塗りのおちょこをいただきました。

【佐渡編】で取材させていただいた佐々木玲子さん。photo: Masumi Manita

何年ぶりの再会だったでしょうか。変わらずお元気でした。また佐渡の工房を訪ねたいです。展示会はアートサロン環にて、今週末の12月11日まで。

新潟の街に出ると、すこし前まで住んでた街とは思えず、もうヨソ者になった気がして新鮮でした。

2016年12月6日火曜日

木下晋さんギャラリートークin砂丘館

砂丘館入口

図録にサインをもらいました〜

2016年11月26日、砂丘館(西大畑町・新潟)で行われた木下晋さんと唐亚明さんのギャラリートークを聴いてきました。午前中、子どもの予防接種に町場の病院に行ったので、その足で行けました。

今回のトークは『熊猫的故事(パンダものがたり)』と『はじめての旅』の絵本原画展にあわせて行われたものです。また、それ以前の作品や最新作の展示もありました。

木下さんは1947年、富山生まれ。最後の瞽女・小林ハルさんや元ハンセン病患者の桜井哲夫さんの絵で知られる方です。特にハンセン病患者を描いた絵に、一瞬、視線を外してしまうような感覚を覚えた方も多いのではないでしょうか。わたしはそうでした。

話のメインは『熊猫的故事』の制作エピソードでしたが、拳がジンジンと腫れ上がるほど殴り憎んだ母親を描いたこと、州之内徹さんと行った出湯温泉で小林ハルさんと出会った衝撃などのエピソードも語られました。

絵を見ていると、一体どれほど視て描かれた絵なんだろうと思いますが、精緻に描かれたその皺の一本一本は、俺が書かなければならないという〈必然性〉と〈覚悟〉を背景にしたものでした。トーク中の柔和な語り口とは裏腹に、木下さんの半生や絵に向かう姿勢は激烈なものを秘めていました。生の熱に触れられてよかったです。

親交のあった大島渚監督や白州正子さんからも肖像画を描いてと頼まれたこともあるそうですが、すべて断ってきたそうです。その理由は「だって彼らは〈俗〉の人でしょう」と。

好きなバンドがライブで地元に来てくれた時のような嬉しさがありました。

砂丘館Webより

原画展は12月18日まで。観覧無料です。近くに行く機会がありましたらぜひ。

2016年12月5日月曜日

【雑誌掲載】『東京人』2017年1月号no.379





2016年12月2日発売の雑誌『東京人』(2017年1月号)でLife-mag.を紹介いただきました。メイン特集は「東京で故郷に乾杯! 全国のいいもの、うまいもの」です。

そのなかの「東京で読む地方発リトルプレス」という記事で、取り扱いでお世話になっている往来堂(千駄木・東京)の笈入さんが「これは気合い入ってますよ」とLife-mag.を紹介いただきました。ありがとうございます! あわせて紹介されていたのは神奈川県真鶴町の『やさしいひもの』。

またこちらも取り扱いでお世話になっているTitle(桃井・東京)の辻山さんも登場し、『HOWLAND』『IN/SECTS』『シリエトクノート』『馬語手帖』などを紹介しています。

全6ページの特集で、ライターの北條一浩さんの記事です。ありがとうございます。

他のページでは、山古志の神楽なんばんや「純米吟醸 山古志」も紹介されています。うまそうだったな〜。

書店でみかけましたら、ぜひ手に取っていただけたらと思います。

2016年12月2日金曜日

【完売御礼】『Life-mag.vol.005【佐渡編】』

完売御礼

2012年9月に発行した『Life-mag.vol.005【佐渡編】』が完売しました。購読、応援いただきましたひとりひとりの方々にあらためて感謝申し上げます。

ありがとうございました。

「ひとつひとつのご縁を結んで歩くこと」。

とくべつ文章が上手いわけでもなく、写真やデザインの技術・センスがあるわけでもなく、営業やマーケティング戦略があるわけでもないわたしは、とにかくいただいたひとつひとつのご縁を頼りに、その先へ、その先へと、小さな歩みを進めていくしかない。創刊号の頃には言葉にできませんでしたが、【佐渡編】の取材を通じて「自分にできるのはこういうことかなぁ」と、徐々に認識していくようになりました。いま思い返せば、そうやって行動できたのも言葉より身体が先になにかを感じていたのかもしれません。

取材をはじめるにあたってまずやったのは、居候先を探すことでした。いまも状況はほとんど変わりませんが、取材期間中、ホテルや民宿に普通に泊まれる経費的な余裕はまったくありません。

そこで、どうにか安く滞在できないかと人のご縁を辿っていきました。最終的に、居候でお世話になったのは、佐渡市原黒の鈴木電機工業所さんでした。船の電装関係の修理工場です。事務所兼作業場の裏手の部屋がひとつ空いていて、そこに居候させてもらいました。

このご縁は、2008年、創刊号を出したすぐ後の夏、親戚の渡辺さんの落語会を手伝った後、新潟駅前のソクラテスに連れていってもらい、そこで店主・深沢さんと出会ったことにはじまります。そこで新潟県庁近くにあった「釜飯・ととや」の須田さんと出会い、さらに佐渡市佐和田の城南窯の池田さんを紹介してもらい、そして鈴木電機さんに辿り着きました。

紹介の紹介の紹介でやってきた、どこの馬の骨ともわからない男に部屋を貸していただいた鈴木電機さんにはあらためて感謝です。

そして、取材は須田さんに紹介してもらった佐渡市真野の日本酒「真野鶴」の平島さん、尾畑さんを訪ねたことから、酒米を生産している佐渡市新穂の佐渡相田ライスファーミング・相田忠明さんの取材へとつながっていきました。

その他のご縁もいろいろとありすぎて書ききれません。なにか書きとめる機会、話す機会などありましたらまたその時に。

それから、最初に〈完売〉と書きましたが、表紙に多少のスレ、ヨレがあって出荷を見合わせていたものがあと10部(12/1現在)あります。本文を読む分には問題ありません。もし「それでもいいよ!」という方がいましたら、販売させていただきます。電話、メールでお問い合わせください。あとは、バックナンバーを取扱いただいているお店の在庫分のみとなります。

一人一人、一部一部、一店一店で、営業、納品、精算を繰り返してきました。経済合理性を考え、利益と交通費を天秤にかけたら、割の合わない場合もありました。しかし、行く先々でのひとつひとつの出会いと再会、叱咤激励、些細な一言が、作り手の励みになり、また次の一歩を踏み出す力になってきました。

増刷の予定ありません。ただ、【佐渡編】の2回目を編集・制作してみたいとは思っています。いつかのその夢を実現できるよう、まずは【粟島編】やいただいている仕事をしっかりとこなして、その機会を迎えたいと思います。

いただいたひとつひとつのご縁とご支援にあらためて感謝します。ありがとうございました。

地の魚がお惣菜コーナーで安く

Aコープのビックメンチカツ、美味しかったな

半額のお弁当、助かりました

居候先の洗面所に飾られていたバラ

未使用カットもたくさんありますが、いつかの日に。