2015年5月29日金曜日

新潟県写真館協会・青年部の例会に参加

集合写真

新潟県写真館協会・青年部さんの例会にゲスト講師として招いていただき参加してきました。2015年5月27日(水)15:00〜、ホテルニューオータニ長岡で行われました。

この日のゲストは、伊東写真館代表でありNPO法人よみがえれ卒業アルバムの理事・伊東さん(宇都宮・栃木)と株式会社博進堂の岡崎さん(木工新町・新潟)、そしてわたしの3人でした。

写真館の仕事で大きなもののひとつとして地域の小中高校などの「卒業アルバム」の撮影制作があります。地元の写真館が長くその地域の学校のアルバムを制作している場合もあれば、学校によっては複数の業者がプレゼンや予算提示を行い、その上で依頼先が決まる場合もあるそうです。

年度ごとの契約で、決まれば一年を通じて様々な行事を撮影(修学旅行に同行も)していきます。ページ割りをどうするか、表紙をどうするか、どの写真を使うかをどう決めていくかなど、写真館もどう特色を出すかが問われるところです。

わたし以外のお二人は学校へのプレゼン方法、個人情報管理、アルバムの保険についてなど実利的、実務的なお話でした。わたしも聞きながら、なんだか業界に潜入している感じがしました。

さて、なぜわたしが呼ばれたのかです。きっかけは西脇写真館の西脇拓さん(上所・新潟)に声をかけていただいたことです。

「卒業アルバム」というと、〈校舎と校歌〉〈担任と生徒〉〈運動会〉〈文化祭〉〈修学旅行〉〈授業の風景〉〈部活動〉などの写真といった大きな型があり、どうしてもマンネリ化してしまいがちです。

(そういえば、ティーンエイジの頃って写真に写るのが嫌ですよね。学校の空き教室に並び、脇から友達にちょっかいを出されながら個人写真を撮るわけです。懐かしい。話をもとへ→)

極端にいってしまえば、その型にある程度はまっていれば「価格が安い業者にお願いしよう」とも発想できます。アルバムの負担額が、生徒ひとりあたり20,000円のところと9,800円のところが出てきたら、学校側、保護者としても、地元の写真館じゃなくても安いほうにお願いしようかと思うかもしれません。(実際にそういう学校もあるそうです)

そこで、人物や地域を独自の視点(独断と偏見ですが...)で切り取り表現している『LIFE-mag.』の編集過程や思いを聞かせてもらいたいという依頼でした。そこには西脇さんの「卒業アルバム」の制作過程でも、もっと生徒ひとりひとりの特徴や魅力を引き立てられるようなことはできないのか、という熱い問題意識がありました。

私の話は実利的なものでなかったかと思いますが、どんな風に企画、構想し、取材地域に入り、どんな風に取材しているのか。またその後、書店や取り扱い店回りをどのように行っているのかなどを話しました。

写真館の方がみたらわたしの写真が参考になるとは思えません。参考(いや、刺激!?)になったとしたら〈型破り〉なその姿勢だったのかもしれません(笑)。

ただ約1時間の持ち時間で最後に、アルバム制作について思ったことをひとつだけ発言しました。こんなような話です。

子どもは地域にとって宝物です。その子どもたちが一定数いる限り、その地域に学校があり、毎年アルバムが発行され続けていきます。そのアルバム自体もまた地域の宝物であり、共有財産として考えると、アルバムの中に地域の商店や会社の人、通学路や自然環境などを子どもたちの思い出にひきつけ、子どもたちの目線で取材編集し、掲載できるページがあったら面白いのではないでしょうか。市史には載らない、もっと地域の細部に入り込んだ、その地域の暮らしを記録できる媒体としての可能性もあるのではと。20年、50年経ったとき、その学年の子どもたちだけでなく、地域のみんなでみても楽しめるものになるのではないでしょうか。

例会後には、青年部のみなさんと懇親会に参加させていただきました。みなさんノリが良く仲が良いのが印象的でした。同じ業界人で集まれるっていいですね〜。

また『LIFE-mag.』の次号特集地域の写真館の方もいらっしゃっていたので、いろいろと話を聞かせてもらいました。ちゃっかり二次会にも参加し、23:34、長岡発最終の新幹線で新潟に戻りました。あらたな出会いと刺激をいただいた機会になりました。

ありがとうございました。

2015年5月25日月曜日

「大橋弘×睦田幸枝スライドトーク+頸城杜氏『酒造り唄』を聞く会」於・堀川醸造味噌蔵

「大橋弘×睦田幸枝スライドトーク+頸城杜氏『酒造り唄』を聞く会」に参加してきました。これは「壺中の天」大橋弘写真展(5/21〜5/28 於・heya銀花)に併せた記念イベントとして行われたものです。

日本で培われてきた豊かな発酵食文化を感じることのできる素晴らしい企画でしたので、紹介します。


このイベントを知ったのはたまたま前日、ツイッターで写真展のことを知り、事務所からも近いしちょっと行ってみるかと訪ねたときです。帰り際にオーナーが「明日、イベントあるからよかったらきてね〜」と。

やるべき仕事もたまってるしどうしようかなと思いながらも、昼過ぎまで仕事。昼飯をおえて、「んー、やっぱ気になる」。「行ってみっか」。

2015年5月23日(土)14:00〜、参加してきました。

イベントは2部構成(とボーナストラック1つ)でした。1部は、写真の撮影者の大橋弘さんと取材の企画を立て記事を書いた睦田幸枝さんのスライドトーク。2部は、新潟県上越市にある坂口謹一郎記念館の頸城杜氏による「酒造り唄」の披露。

1部・スライドトーク

もともとの写真は、大橋さんと睦田さんの二人で日本中の伝統食、発酵食の生産者を訪ねた雑誌『サライ』の連載企画がもとになっています。月2回、7年半、全国176ヶ所を訪ね歩いてきたそうです。

睦田さんが取材先のリストアップとライティングを、大橋さんが撮影を担当。そのお二人が、取材した記事をもとにトークが展開していきました。

睦田さんは伝統食をこう定義します。
・健やかな素材でつくられるもの。
・その土地でとれた旬なもの。
・昔からの手法を守っているもの。

取材してこれらた先も実際にそうで、500年、1,000年前と同じ手法で作っているものが多くあったそうです。また、それくらい昔だと、ストップウォッチも温度計もありませんでした。科学の発達もまだまだです。そういう時代に伝統食、発酵食をつくるときどうしていたかというと、「祈る」ということをしていたそうです。いまとは比べ物にならないくらい、食事は貴重なものでした。ありがたく、いただく、という思いとともに食事をしていたんですね、と紹介。

そこからは、各地の取材写真にあわせて一気にトーク。約1時間半。

取り上げられた題材の一部ですが、
金山寺味噌、純米酢、黒酢、きび酢、鮒ずし、ハタハタ飯ずし、かぶらずし、ふぐの子粕漬け、碁石茶、阿波番茶、大徳寺納豆、浜納豆、ねさしみそ、麦味噌、鯖へしこ、しば漬け、くさや、すんき、山川漬、黒糖酒、醤油、守口漬...。

ツイートにも書いたように、大橋さんの写真は、食材の表情がとてもよく出ていて、思わずうっとりするような写真でした。スライドショーで旅行しているような、旅心地、夢心地になりながら、日本にはまだまだ食ってみるべき、その豊かな歴史と伝統を知るべき食材がたくさんあるんだなと思いました。

酒造り唄

そして2部は、坂口記念館の頸城杜氏による「酒造り唄」の披露です。

坂口記念館は、醸造学、麹菌の研究、応用微生物学の権威として知られる坂口謹一郎博士の業績をいまに伝える施設です。また記念館のある上越市頸城地区は、全国でも有数の杜氏集団がいたことでも知られています。

実際に頸城杜氏として、長く酒造りをされてきたお二人と記念館の方の三人で唄の披露がありました。「酒造り唄」は約400年前から、自然発生的に、歌い継がれて来た仕事唄です。





出稼ぎが多かった冬場の酒造り、郷里の家族への思いや懐かしさを込めて歌われてきたそうです。またその節回し自体が、作業の際、みなの息を合わせる意味ももっていました。

そして、今回の会場となったのは新潟市中央区馬越(沼垂地区)の堀川醸造の味噌蔵です。

堀川醸造は明治27年創業の創業ですが、平成26年秋、約120年と続いてきたその歴史に幕を下ろしました。この味噌蔵もこの秋には取り壊される予定だそうです。すでに操業は止まっていますが、今回、イベント会場となりました。

味噌樽

会場を囲んだ味噌樽には、1本で9〜12トンの味噌が仕込まれていました。昭和48〜49年の最盛期で120本、1000トンほどが仕込まれたそうです。最後は300トンほどになっていったそうです。

昭和39年の新潟地震のときには、その樽の半分ほどが地盤沈下によりもぐってしまい、4年かかってそれらを戻したそうです。

塩の倉庫

堀川醸造はもともと竜が島(現在地より信濃川河口より)にあったのが、大正末期の沼垂大火に遭い、いまの場所に移ってきました。その後、工場や事務所など建て替えながら、生産を続けてきましたが、昭和2年に建てられたこの一棟だけは当時のまま。最後は塩の倉庫として使われていました。

いまはその役目を終え、静かにそこにありました。

堀川さん

はじめにボーナストラックと書いたのは、イベント終了後、堀川さんから工場案内をしていただいたからです。工場内を撮影した写真が以下です。







天井が黒くなっている↑のは麹菌だそうです。「いまもここに住んでますよ」。









以上です。ひとつの味噌蔵の歴史の終わりに、奇跡のようなコラボイベント。参加してよかったです。

2015年5月22日金曜日

公益財団法人新潟市産業振興財団の講座「〜ロジカルシンキングとは〜課題整理と活用方法」に参加

I.P.C入口

しばらく前に新潟市役所に勤める友人から「こういう場所があって無料でビジネス相談できるから使ってみたら」とのすすめで訪ねたのが、新潟市産業振興財団(通称=I.P.C)です。

新潟市の企業の製品開発、経営コンサルタント、マーケティング支援、起業相談などを行う団体で、新潟市によって1991年に設立されたそうです。市の外郭団体で、市役所職員の出向もあります。

友人にすすめられたのは、マーケティング、コンサルタント業界で実績を積んできたプロジェクトマネージャー(通称=PM、というそうです)の方に1時間無料で「窓口相談」ができるものでした。(しかも、何回でも無料)

ということで、4月17日(金)15:00〜「NEXT21」12階の事務所を訪ねました。

建物がマブしい

私は具体的な相談事項もなかったのですが、「まずは事業の組み立て方、ということで大きな話(でも基本で大切な)からしていってみましょうか」と提案していただきました。

担当いただいたのは、百合岡雅博さん(統括プロジェクトマネージャー)。トーマツコンサルティング株式会社をはじめ数社でコンサルタント業務をされてきたそうです。すでに別の大学院でMBA(経営学修士)を取得しているそうですが、さらに!ということで新潟大学のMBAコースでも勉強を続けてると(向上心のカタマリ、すごい)。

この日は、「マーケティング検討シート」「事業概要書」「基準売上高検討シート」を使って、『LIFE-mag.』は事業として、ここんところどうよ? とツッコミを入れてもらいました。

マーケティング検討シート

『LIFE-mag.』のターゲット・ニーズは? セグメントできてる? 商品コンセプトはなに? 付加価値は? これを読んでもらった人にどう感じてもらいたい? どう行動してもらいたい? などなど。

これらはマーケティング用語というのでしょうか、これまでほとんどといっていいほど、意識してこなかった質問の前に、すぐに言葉をつまらせ、しどろもどろになる『LIFE-mag.』小林...(笑)。

それらがだいたい見えてきたところで、年間の売上計画や行動計画を立てていくそうです。自分で仕事をやっていると、視野も狭くなりがちです。時々、こうやって指摘してもらうのはいいですね。ちょっと凹むけど。

とても有益なアドバイスをもらえる場所ですが、同じ市内でまがりなりにも取材、編集の仕事をしているのに、こういう団体の存在すら知らなかったです。視野狭窄ですわ。(でも、市の外郭団体って他にどんなところがあって、どんなことしてるんだろう)

その日の帰り際に「窓口相談」の他に「ビジネス講座もやっているよ」と言われ、壁に張られたチラシをみて面白そうだなぁと思って参加したのが、「〜ロジカルシンキングとは〜課題整理と活用方法」(ようやく本投稿のタイトルに到着)です。

チラシ

ロジカルシンキングって、論理的に物事を考えること、となるんでしょうか。それが気になったのも、最近、複数の人から言われた一言にあります。

「ひろきさんって、直感で決めていきますよね」
「小林さんって、ばっと飛び込んでいく感じじゃないですか」

と、この2ヶ月で言われました。この言葉は、果たして褒められているのかどうか、さて、微妙なところです。捉え方によっては〈ちょろちょろ考えをかえていく気分屋なヤツ〉とも思えますし(へそ曲がり)。

いや〜、これは微妙なところだぞ。

もう少し筋道立てて物事を考え、相手にわかりやすく伝えていかないと、仕事をやっていくにもマズいなと思い参加してみました。

そうです、直感です(笑)。

2015年5月19日(火)15:30〜、この講座に参加してきました。先日、個別の「窓口相談」を担当してくれた百合岡さんが講師ならというのも大きな理由でした。

内容は、ある問題をロジカルにシンキングして整理してみる、演習が6つ。その前後に百合岡さんの解説が入りました。簡単にその内容を紹介します。

マトリックス/Tチャート

仕事の出張で交通手段を検討する事例に対して、「マトリックス」「Tチャート」を用いて考えてみる。

ロジックツリー

「お金に不安のない人生を送るには」 という問いを、「ロジックツリー」を用いて考えてみる。


マーケティングミックス(4P)

新製品の開発、改善についての問題を、「マーケティングミックス(4P)」を用いて考えてみる。 「マーケティングミックス(4P)」とは、「製品(Product)」「価格(Price)」「プロモーション(Promotion)」「流通(Place)」を指すそうです。

マーケティングでは基本らしいですが、もちろん私は初めて知った。ぬうぅ...。

フェルミ推計

新潟市にあるマンホールの数はいくつでしょう? という問いを推計する場合に使ったのが、「フェルミ推計」。この場合、わかる情報を整理し、入手困難な情報に関していかに説得力ある推計を入れ、答えを出すかが重要になってきます。

新潟市役所も数は把握していないそうですが、この演習では、11,950個あるという推計が導き出されました。例えば、新潟市内のラーメン屋さんの数は? 書店の数は? などを推計する場合にも使われるそうです。

外資系企業の試験でこういった問題が出されることが多く、「地頭力」とも言われるそうです。そんな力、いまのところ私にはゼロのようでしたわ...。

講座の報告は以上です。

取材、編集など追い込み、追い込まれていると、こういうことを避けてしまいがちな自分がいることを再確認する機会になりました。たしかに仕事もプライベートも計画性の低さはあると思います。「ロジカルシンキング」ってこういうことかぁ、で満足せず、徹底的に自分の事業に当てはめ、何度も問い直すことが重要なんだなと思いました。


I.P.Cの入るNEXT21の12Fからの眺め

雑感・I.P.Cの入るNEXT21の12階からは、新潟のシモマチと日本海が一望できます。立派な建物にデキル人がいそうなピカピカなオフィスで、どこか自分は場違いな気がしてそわそわしました。私はやっぱり町の暮らしと同じ目線で仕事ができる、(雑然とした)いまの事務所が落ち着きますわ。

2015年5月20日水曜日

トークショー「F/styleというスタイル」CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店にて

入口の案内

展示売場入口より

先日、トークイベントで東京に出たタイミングでCLASKA Gallery & Shop "DO" 本店で開催されていた「エフスタイルのしごと」を見に行ってきました。ちょうど「F/styleというスタイル」と題したトークショーに合わせて私も空き時間を作れたのも幸運でした。

201559日(15:00〜、エフスタイルの星野さん、五十嵐さんにショップの大熊健郎さんが話を聞くかたちでした。

目黒駅から会場まで歩いて行ったのですが、いまいち距離感がつかめずに遅れての参加になりました。(さすがお上りさんです)。印象に残ったことを以下にメモ書きにします。

・はじめてから最初の3年は山形の工場とつくったマットしか商品がなく、売上も厳しかった。東京に取り扱い店を探しに行商に出ていた。

・次のステップを模索する中で、新潟県山北町(現在、村上市)のシナの民芸品に出会った。山北町を訪ねた時、ちょうど選挙期間中で、投票所にいったら、たまたま人を紹介してもらえた。後継者がいないなど何か困っている状況や、出会いがないと商品は生まれない。

・事務所で使っていたミシンが壊れた時、修理に来た業者の人が亀田縞を紹介してくれた。約8年前の出会い。ちょうど一昨日、8年間使った亀田縞の商品の写真をお客さんがメールで送ってくれた。

・いまは15社ほどと取り組みをしている。(展示会ではこれらの商品の多くが並んだ。私もこれだけ一度に見たのは初めてでした。)

・ショールームは土曜、月曜に開けている。たまにお客さんに週2日の営業だなんていいわね〜、と言われるけど違いますよ(笑)。打ち合せや検品・発送、取引先の方が新潟に来れば食事をしたり、新潟を案内したりもしている。

・朝は8時くらいに事務所にきて、二人で朝ご飯を食べる。仕事の打ち合せをしたり、肩もみしたり(笑)とチューニングする。

・(エフスタイルさんは、企画、検品、発送、営業、精算など製造以外のあらゆることをやっている)いろんな立場に立っているのが、財産になっている。つじつまがあって腑に落ちるところを探している。

・もっとデザイン的に洗練させたり、シャープさを求めたりもできるかもしれないけど、工場に負担がかかるならやらない。

・いま丸14年経って、15年目になる。事務所を移したのは、前の場所では商品に埋もれて仕事していて、しまいには階段から落ちて(笑)。(ほかにも理由はあるけど)次のステップへと、状況を先につくってそこに飛び込んだ感じ。

・最初の頃は辞めたいと思ったこともある。でも、まだ他に自分の生きる道があるんじゃないかって思ってることが一番辛いんじゃないかな。なにがあっても逃げない、二人でやっていくと覚悟したら、不思議とモノも動いた。

・最終的にはスナックになること(笑)。

などなど、以上走り書きのメモでした。

エフスタイルさんには『LIFE-mag.』の取り扱いでお世話になっています。納品の際やエフスタイルさんでのイベント時にすこしお話させていただいていますが、あらたまってお二人の仕事に対する思いを聞く機会はなかったので、今回はとてもいい機会でした。

作り手と売り手、そして使い手、その間に立って、丁寧に商品を生み、育てている姿をあらためて知ることができました。そこにある静かで曇りない覚悟を感じ、会場の隅っこで「うぉ〜、かっこいい」とひそかに唸ってました。

今回、新作が2点。山形の畳屋さんと作ったイグサの飾り、酒瓶をリサイクルしたビーカーが並んでいました。"DO" 本店での展示会は5/24(日)まで、ぜひ。

展示会DM

『エフスタイルの仕事』(アノニマ・スタジオ)という本でもお二人のことを知ることができます。こちらもオススメです。うちの事務所にもあるので貸し出しも可、ですがよかったら購読を!

妻戸神社(寺泊・野積地区)のお田植祭へ

妻戸神社境内
神社脇の御神田

今日は弥彦神社の取材でした。4月からいくつかのお祭りを撮影させていただいてますが、今日は弥彦神社の妃神をお祀りしている妻戸神社(寺泊・野積地区)のお田植祭でした。

地元住民でつくられる妻戸妃神会の方々からの申し出で2007年からはじまったお祭りです。神社にてお祓いや祝詞を読み上げるなどした後、神社脇の御神田で田植えが行われました。

数百年と続いているお祭りもありますが、こうして地元の方々からの申し出ではじまるお祭りもあるんですね。

お祭りの後、神職の方、地元の方と一緒に直会(なおらい)に参加させていただきました。御神田の脇にゴザを敷いて、お弁当を食べ、しばし談笑。

他に寺泊・野積地区では盆踊りについて取材してみたなと思っていたのですが、ちょうど詳しい地元の方がいて、挨拶でき、後日話を聞かせていただけることになりました。やはり足を運んだだけいろんな情報が得られます。

まだまだ長く(険しくなりそうですが...)続く取材編集、こつこつと進めていきたいと思います。

2015年5月12日火曜日

「ローカルメディアのつくり方〜ローカルメディアの実践者と考える、『地域』と『暮らし』と『メディア』のこれから〜」(灯台もと暮らし・佐野知美さん、メディアの輪郭・佐藤慶一さんと)

左・佐藤さん、中・佐野さん、右・小林

満員の会場!

懇親会の様子

59日(19:00〜、「ローカルメディアのつくり方〜ローカルメディアの実践者と考える、『地域』と『暮らし』と『メディア』のこれから〜」と題したトークイベントに参加させていただきました。

ウェブメディア「灯台もと暮らし」の佐野知美さん(見附出身)と紙媒体の私というメディアの作り手にそれぞれ発起の経緯や、取材・編集に対する思いなどを、講談社「現代ビジネス」編集者でブログ「メディアの輪郭」を主宰する佐藤慶一さん(佐渡出身)が聞くものでした。

2時間半のトークは、内容ぎっしり。佐野さんの話で興味深かったものをすこし紹介します。

「暮らしとは、人の決断の固まり」であり、「各地域にある身近なものの価値を探りたい」と、東京の中でもローカル色の強い西荻窪や蔵前を特集。また徳島県神山町(IT産業の誘致で話題)、島根県海士町(移住者の増加で話題)といった東京からはずいぶん距離のある地域特集も組んできました。

このサイトは、「リアルに還るためのウェブサイトにしたい」との思いから懇親会、新年会を開催し読者との交流、読者同士の交流の場づくりもやってきたいそうです。また、本編記事とは別に記事に課金のできるウェブサービス「note」上にインタビューの全文書き起こしや、月額会員を募るなど、読者とつながるもうひとつの窓口も作っています。

そして、聞き役となっていただいた佐藤さんは、ウェブメディアの佐野さんと紙媒体の私の共通点や違いをうまく引き出しながらの進行をしていただきました。「もっと実力をつけて、出身地の佐渡に戻って仕事をしたい」との思いも語っていました。その時期がいまから楽しみです。

さて、私の話はどうだったんでしょうか。方言丸出しの脱線ばかりで聞きづらかったかもしれません。どの言葉がどう響いたかは面々のおはからいで。

ここでは今回のお題に応えるように、ひとつだけ付け加えさせていただきます。

私の場合は、取材させていただいた方、取り扱い店の方、読者の方、応援してくれている方々と同じ「地域」に私の「暮らし」もあります。2008年の創刊以来、取材、納品、イベント、またはその後も訪ねたりと小さな交流を重ねてきました。ようやくそこにわずかな「信頼」と「尊敬」の芽生えを感じています。

地方都市はどうしても狭い人間関係になりがちです。その中で、悪くいわれたり、嗤われたり、疑われたりすることもあります。しかし、それ以上に同じ土地で「信頼」と「尊敬」を寄せることのできる人たちを身近に感じながら、働き、暮らすことができる環境に喜びと楽しみを見出しています。

「メディア」の未来に見通しを立てるようなことは到底できませんが、私が新潟で雑誌制作を通じ、感じている率直な思いです。

最後になりましたが、ご来場くださいました皆様(会場一杯の60名超!)、イベント主催者の『じじ 神保町』の青木洋介さん、会場の「EDITORY 神保町」の河原田保彦さん、千絵ノムラさん、「未来食堂」の小林せかいさん、関係者の皆様、ありがとうございました!

全国の「ローカル」に根を張り、いまも地道に活動に取り組まれている方々は多くいます。近い将来、そういった方々ともご一緒できる日を楽しみにしています。