2014年7月29日火曜日

【石川取材_004】鹿渡島定置・順毛弘英さん

鹿渡島定置・順毛さん

石川取材4日目は、鹿渡島定置の順毛弘英さんに取材させていただきました。鹿渡島定置は、石川県七尾市の東端、富山湾に面した鹿土島漁港を母港にして定置網漁を行っています。順毛さんは、そこで漁の現場を取り仕切る船頭として働いています。

漁業もまた後継者問題を抱えていますが、鹿土島定置さんは15名の漁師の大半は20〜30代です。そこには、酒井社長の若い人を育てたい、漁業を受け継いでいってもらいたいとの思いがありました。

魚など水産物の消費量は年々減少傾向にあり、また輸入水産物との価格競争もあります。そこで「海水シャーベット氷」の導入や、「神経〆」を行うなど付加価値を高める取り組みを行ってきました。

また、「会社は赤字で潰れるのではなく、人材不足で潰れる」という社長の思いから、これまでは「技術は見て覚えろ。教えない」のではなく、積極的に教える、伝える、マニュアルにして示すということを行っています。

順毛さんのそんな現場での思い、やり甲斐などを伺いました。

漁師のみなさんと朝ご飯

この日は、漁港に午前2時半集合で漁の様子を撮影させていただきました。早朝、漁港に戻り出荷作業を行うと、みなで揃って朝ご飯。その後にインタビュー取材でした。

石川取材全行程を無事終えることができて大きな安堵。新潟への帰路につくまえに七尾駅近くのコンビニ駐車場で仮眠。そして、帰ってきました。

原稿、誌面の制作はまだまだ残っていますが、いい雑誌になるよう引き続き仕事を積み重ねていきたいと思います。取材させていただいた方々、お世話になった方々、ありがとうございました。



2014年7月28日月曜日

【石川取材_003】神音カフェ・武藤一樹さん

神音カフェ・武藤さん

石川取材3日目は、神音カフェの武藤一樹さんに取材させていただきました。神音カフェは羽咋市菅沼町にある古民家を改装したカフェ。お昼のカレーは予約しないとなかなか食べられない人気メニューです。菅沼町は限界集落と呼ばれる少子高齢化の進んだ地域です。

岐阜県出身の武藤さんは大学時代を金沢で過ごしました。卒業後は、東京で就職。カフェ開業の修行の(珈琲焙煎の技術などを学ぶ)ために再び金沢へ。しばらく物件探しをする中で、決めたのがこの場所でした。

開店準備期間中、ふと気づくと玄関に野菜があったことも。冬場、雪が降るとお店回りの除雪を地域の方が手伝ってくれて、「あんたは中の仕事をやってていいから。外は俺たちがやっておく」と声をかけてくれたこともあったそうです。

2006年の開店からこの地域で暮らし、見えてきた暮らしや価値観などを伺いました。地域が一体となってこのカフェを支えているようにも思いました。

※いつもインタビュー、撮影が終わった後に記念に一緒に写真を撮らせてもらうのですが、お店でかかってた音楽の話で盛り上がってしまい、頼むのをうっかり忘れました。

2014年7月24日木曜日

【石川取材_002】金沢芸妓・桃太郎さん

主計町の仲乃家さんでインタビュー
石川取材2日目は、金沢芸妓の桃太郎さんに取材させていただきました。

金沢美術工芸大学を卒業後、芸妓の世界に入った桃太郎さん。一見、華やかに見える世界ですが、陰での稽古は相当のものでした。踊り、三味線、長唄、小鼓、大鼓、お茶などを習い、夜はお座敷へ上がります。金沢芸妓の文化とそれを受け継ぐ桃太郎さんのやり甲斐や覚悟を伺いました。

撮影では、古典舞踊の宗家藤間流・藤間勘寿々先生の稽古の様子を撮影させていただきました。同世代ということですが、言葉づかいや振る舞いに芯があって素直にかっこいいなと思いました。

ありがとうございました。

2014年7月23日水曜日

たっつぁんベスト発売!

LIFE-mag.vol.007納品時に撮影(2014.1.14)

巻町のうた歌い、たっつぁんのベストが完成しました。

大学時代からフォークソングを歌いはじめて、45年。その活動の集大成のベストアルバム2枚組(全28曲)です。地元巻町のお祭りや自然を歌ったものから、戦争や平和の歌まで。たっつぁんのあたたかい人柄が伝わる曲の数々です。

録音には、LIFE-mag.vol.003で取材させていただいた倉井夏樹さんも参加。北海道帯広のクニ河内さんのスタジオで録音されました。ジャケットデザインは、絵本作家の長谷川義史さんです。

たっつぁんは巻町商店街で「にいだや」(洋品店)と「ギャラリー野衣」を経営しています。そこでLIFE-mag.も取扱販売していただいています。いつもありがとうございます。

北書店でも取扱販売中

たっつぁんベストCD完成記念北書店ライブ」も企画されています。
[出演]たっつぁん&本沢あきよし+友情出演ゲスト
[日時]828日(
[時間]19:30〜開演
[会場]北書店
[会費]1,000
[申込]025-201-7466(北書店)

たっつぁんは大の絵本好きでもあり、本屋でのライブを楽しみにしていることと思います。

【石川取材_001】金沢21世紀美術館・鷲田めるろさん(キュレーター)

金沢21世紀美術館・鷲田さん(左)
石川取材の初日は金沢21世紀美術館のキュレーター、鷲田めるろさんにインタビューさせていただきました。

地域と連携した企画、地域を舞台にして行った企画などの経緯や実際にやってみて感じたこと。これからの美術館の役割。キュレーターとして大切にされていることなどをインタビューさせていただきました。

鷲田さんは金沢21世紀美術館の設立準備から携わってきました。生まれは京都で、東京で学生時代を過ごし、金沢にやってきました。世界中のアーティストと金沢を結び、アートというフィルターを通して街を再発見してきました。その活動への思いを語ってくださいました。

本誌インタビューをお楽しみに。

2014年7月19日土曜日

石川取材から戻りました。

七尾市某所
テント内
地元スーパーどんたくの弁当をテントで。
石川取材から無事、戻りました。14日の夕方に金沢入り、18日のお昼に七尾を出て戻りました。総走行距離840キロ。

金沢ではビジネスホテルに泊まりましたが、最終日は七尾市某所にテントをはり午前1時起床で撮影〜取材でした。午前9時にすべての取材が終わると気が抜けてそのまま車で仮眠。そして、新潟への帰路へ。

学芸員、芸妓、カフェ経営者、漁師の4人の方々に取材させていただきました。新潟からやってきた名も無き小さな雑誌の取材にも快く対応いただきました。あらためて感謝です。

取材中は目一杯歩き回ったり、携帯やネットの電波が届かないようなところへも出かけたりしていたため報告が遅くなりました。また新潟の編集室から報告をアップしていきます。

まずは無事に取材の旅が終えられて大きな安堵です。

2014年7月4日金曜日

思考停止だけはやめておく


安倍政権に対する様々な意見がネット上でも流れてきます。普段、政治に対する関心の低い私はあたふたしているのが正直なところです。

安倍政権を支持する人にも、反対する人にも「いま(賛成か反対か)声を上げなかったヤツは許さない!」といったキツイ口調のものもあり、そういう意見を目にしてなおさら口をつむいでしまっている人も多いのではないでしょうか。それでも、この混沌とした状況だからこそ自分なりに考えてみることだけは続けたいと思っています。

遅いことはありません。いまからでも普段、関心の向かない政治のことを学んでみたほうがいいと思います。私はネットよりも本を読むことのほうが性に合っているので数冊の本を読んでいます。

いまは仕事で県外にいるのですが、カバンに『街場の憂国会議』(晶文社)を入れてきたのでそれを読んでいます。その中の平川克美さんの寄稿文に共感したので引用します。

「もし、民主主義が決定的に毀損されるとすれば、それは民主主義によって選ばれた無能な政治家によるものではなく、民主主義を支えている『民』が変質して、思考停止の状態に陥ってしまったときだろうと思います。
国民が民主主義を放棄して、強い意志決定のできる独裁的な指導者に、全権を委ねてしまうことです。
あるいは、国民が民主主義的な手続きに飽きて、政治から背を向け、社会性や共同性に無関心になり、個人の利をひたすら追求するタイプの個人主義に埋没していくことです」(「オレ様化する権力者とアノニマスな消費者」より)

2014年7月2日水曜日

『鈴木いづみセカンド・コレクション3』、本人に会ってみたかった。

『鈴木いづみセカンド・コレクション3』をしばらく前に読みました。若くして自ら命を絶った鈴木いづみのエッセイ集です。擦り切れそうな生き方、その言葉の断片がわたしに突き刺さりました。

とくにと思った言葉をここにメモとして残しておきます。同世代に生まれて本人に会ってみたかったな。


事実よりもうさわの方が真実をついている。同じように、本物よりもニセモノにひかれる。自然より人工がいい。クソマジメより悪ふざけが好き。マガイモノは、パロディーとしての文明批評だ。ある年齢をすぎても化粧しない女は、自信を持ちすぎているようで不愉快だ。どんな手段を使ってでも、美しく見えればいい。(13p,)

すべての他人に憎まれて、きらわれて、そんな中で死んでいきたい。存在するということは、より多くの他人に知ってもらうことだ。他人との関係が生きているしるしみたいなものである。血みどろの憎しみなんていうのも、いいと思うよ。(29p,)

芸術の起源がそうであるように、売春もまた国家的要請から出発したのです。人間の性エネルギーは、当分なくならないだろう。それが消えるときは、人類滅亡の日です。性欲は生存本能や自我拡張の欲求と結びついているから。男の子たちは「疲れたときにやりたくなる」そうだが、それは疲労の極致で生命体が危機にさしかかったときの「生きていたい」欲求なのだそうだ。(53p,)

わたしは、教養のない人間が大きらいだが、それは料理とセックスにあらわれる。このふたつがへたな男や女はダメだと思っている。台所とベッドで才能を発揮するためには、特別本を読む必要なんてない。活字文化の末期は、こうして延々つづくのだ。(83p,)

何時間も飲みつづけ、飲むことがしだいに苦痛になっていきながらも飲みつづけ、明け方、頭の中で花火がうちあがっているような状態から仕事をはじめる。それは奇妙な明るさにみちた絶望感で、自虐性の強さを考えると、それを楽しんでいるのではないかと思われる。(99p,)

理想的な友人関係は、つかずはなれず、だと思っている。あまりに深くはいりこむと、相手の全体が見えない。平衡感覚を失う。やさしくてつめたいのがいちばんで、その反対に神経が粗雑であたたかいというのは耐えられない。(216p,)

女っぽい女の思考における基本的呪文は「こんなにあなたを愛しているのに」。たまったもんじゃないよ。愛された方は。(217p,)

ひとはスケジュールどおりにうごくことが多い。そうしないと食べていけないからだ。そうすれば、生きやすいからだ。だが、精神の内奥からつきあげてくるもののほうが、よりふかく「生存」にかかわってくる。(221p,)